Business & Economic Review 2007年05月号
【OPINION】
経済危機から10年を迎える東アジア諸国の政策課題とわが国の対応
2007年04月25日 調査部 環太平洋戦略研究センター 上席主任研究員 高安健一
東アジアが1997年7月に経済危機に陥ってから、まもなく10年になる。各国の政策当局は、経済の成長と安定の双方を重視する姿勢を鮮明にするとともに、域内経済協力の重要性を強く意識するようになった。他方、わが国は、経済ダイナミズムにあふれた東アジアにあって、経済プレゼンスが相対的に低下する事態に直面している。以下では、これまでの経済改革の成果を振り返るとともに、東アジア諸国の政策課題およびわが国がとるべき対応について述べる。