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リサーチ・フォーカス No.2021-001

拡大するBuy Now, Pay Later(BNPL)市場の動向と今後の展望

2021年04月05日 谷口栄治


欧米先進国を中心に「Buy Now, Pay Later(BNPL)」という後払い式の決済手段が拡大。BNPL事業者が小売店(加盟店)に立て替え払いする一方、ユーザー(消費者)が4回程度の分割払いで決済する仕組み。事業者が消費者に対して与信を行うという点ではクレジットカードと同様ながら、原則としてユーザーには利息や手数料等がかからない、事前審査がさほど厳しくないといった相違点が存在。

スウェーデンのKlarna、米国のAffirm、オーストラリアのAfter PayといったFinTech企業が市場拡大を牽引。いずれも2010年代後半から決済取扱高が急増するなか、トップライン収益も増加。事業拡大に向けたマーケティング費用の負担に加え、足元ではコロナ禍を受けた貸倒引当金の積み増し等により、ボトムライン収益は赤字となっているものの、将来性を評価して期待先行的にマーケットからの評価が高まっている状況。

BNPL利用者は20~30歳代の若年層や現役世代が中心であり、「比較的高価な商品」を購入する際に、「クレジットカードの代替」として利用されるケースが拡大。背景には、債務負担の増大等を嫌気した若年層のクレジットカード離れ、コロナ禍における世界的なオンラインショッピングの拡大といった大きな潮流が存在。こうしたトレンドを受けてBNPL市場の拡大が続く一方、大手銀行や決済関連企業等の参入もあり、競争は激化していく見込み。

一方、BNPLの利便性の高さゆえに、支払い能力を超えて消費を行う利用者が増加し、結果として過大な債務負担が生じたり、事業者から高利率の遅延損害金の支払いが求められたりするケースが問題に。今後、適合性の原則の観点から規制の厳格化が検討される見通しであり、BNPL市場の拡大ペースや事業者の収益性、市場からの評価等に影響が及ぶ可能性も。

わが国では、クレジットカードの利用状況の違いもあり、BNPL市場が直ちに欧米諸国のように拡大していくかは不透明ながら、状況をみながら必要な規制や監督を検討していく必要あり。
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