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国際戦略研究所 研究員レポート

【米国情勢報告】アメリカのワクチン接種をめぐる状況―迅速なワクチン接種の背景に迫る

2021年03月31日 佐藤 由香里


■はじめに
今日までの世界の約1億2770万人の新型コロナウイルス感染者(累計)のうち、約4人に1人は米国人であり世界の総死亡者約279万のうち、約5人に1人の命が米国で失われ、米国は新型コロナウイルスによって甚大な被害を受けた。

トランプ大統領(当時)は2020年3月、民間企業に調達・増産を促す「国防生産法」を発動し、米ファイザー/独ビオンテック、モデルナ製などのワクチンは急速なスピードで開発が進んだ。2020年12月にはこれら2種類のワクチンに緊急使用の特別承認が下り、使用が開始された。 バイデン政権はワクチン接種の前倒しを行い、公約「100日間で1億回接種計画」は59日間で達成され、現在、就任100日以内で2億回の接種という新たな目標を掲げている。

このペースでいけば、5月中には成人(希望者)の接種を終え、6月中にはいわゆる「集団免役の獲得」(定義的に人口の約70%~90%以上がワクチン接種を完了)を達成し、秋までには子供(12~16歳)の接種も出来るようになるとの見通しである(3月29日時点、ニューヨーク・タイムズ紙試算)。

スケジュール通り「集団免役の獲得」の水準に達した暁には、米国は経済回復に拍車をかけ、更にワクチンの対諸外国向け提供を開始によって今まで遅れをとっていた「ワクチン外交」など、国際連携の強化を通じ、国際社会での存在感を発揮していくことが考えられている。

なぜ米国のワクチン接種はここまで早いのか。ワクチン・プログラムには、開発・製造・集団接種という3つの重大課題が存在するが、それを克服するうえで、①「被害の大きさ」②「資金力と市場規模」③「大規模サプライチェーンの創出」④「収容面積と人員」、更に⑤「啓発活動」といった5つの要素が背景となっていると筆者は考えた。

なお、ワクチンの開発には複雑な科学的手続き、政府規制の制約などが絡むため、それぞれのワクチン・プログラムの状況は単純な尺度で測りきれない部分が大きく、米国の場合には更に各州によって体制が大きく異なるので全容を網羅することは困難な面があるが、特色的な諸点を中心に分析した。

アメリカのワクチン接種をめぐる状況―迅速なワクチン接種の背景に迫る
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