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リサーチ・フォーカス No.2020-040

企業間取引デジタル化の拡大に向けてー追い風を活かすために普及策の実行を

2021年02月10日 成瀬道紀


わが国企業はデジタル化の後れを指摘されている。大企業では後れを取り戻す動きがみられる一方、中小企業のデジタル化への取り組みは鈍い。とりわけ、受発注や請求など企業間取引の分野で後れが目立つ。

企業間取引のうちデジタル化されているのは、受発注で全体の3割強、請求書では数%程度。残りはFAX・郵送・Eメール・電話などでやりとりされ非効率な作業が残存。企業間取引のデジタル化で総労働時間を6%程度削減可能との実証研究結果もあり、デジタル化による効率化への期待は大きい。さらに、デジタル化によりデータが蓄積され、経営判断や新サービスへの活用も展望可能。

企業間取引のデジタル化の歴史を振り返ると、個別EDI(電子データ交換)からスタートし、業界標準EDI、Web-EDIへと推移。これらのEDIは、個々の大企業の独自規格にあわせるため中小企業にとってはむしろ非効率となったり、導入コストが高かったりするなどの課題があり、普及は限定的にとどまった。

足元では、企業間取引のデジタル化の普及拡大に向けた追い風が吹いている。具体的には、①中小企業共通EDIや電子インボイスの標準規格など業界横断的な標準規格の確立、②安価なクラウドサービスの普及、③電子帳簿保存法の改正、④2023年のインボイス制度導入、⑤2024年のISDNサービス終了、⑥新型コロナ禍をきっかけとしたテレワーク普及、などが指摘可能。

一方、企業間取引のデジタル化は取引先も対応しないと進まないため、様子見が続く懸念も。企業間取引のデジタル化の普及拡大を加速させるためには、①認知度の向上、②政府によるインセンティブ付与、③大企業から中小企業へのデジタル化の呼びかけ、④金融機関の活用、などが有効。

企業間取引のデジタル化は、生産性の向上にむけて、協調領域としてわが国産業界が一丸となって取り組むべき分野。また、政府が提唱するConnected Industriesの実現へ向けた第一歩としても期待。
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