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リサーチ・アイ No.2020-064

緊急事態宣言が関西経済に及ぼす影響-関西での消費支出は1ヵ月で1,000億円程度下振れ-

2021年01月14日 若林厚仁


新型コロナウィルスの感染拡大を受け、1月13日、関西でも大阪府、京都府、兵庫県に緊急事態宣言が発令。昨春の発令時には、飲食・宿泊や交通、被服向け等を中心に、家計の消費支出は大幅に落ち込んだが、その後新規感染者数が小康状態となったことから、昨年11月には消費は持ち直し(図表1)。再度の発令に伴い、関西全域で経済活動の落ち込みが懸念される状況。

関西では年末年始にかけて既に外出抑制傾向にあるほか、今回は昨春のような小売店の終日休店等も実施される予定はないことから、宣言期間が予定通り1ヵ月程度で終了するならば、経済活動への影響は昨春ほど深刻化しない見通し。既に緊急事態宣言が発令されている東京での人出状況を見ても、発令後の人出の減少は1割程度にとどまる(図表2)。

今回の緊急事態宣言期間中(1ヵ月間)の関西での消費支出は、外食、旅行、娯楽サービス等を中心に減少する見通し。感染状況が比較的落ち着いていた11月時点と比較すると、最近の感染拡大による自粛影響が1ヵ月間で▲2,000億円程度、このうち緊急事態宣言の発令による影響は▲1,000億円程度と試算(図表3)。

もっとも、緊急事態宣言が1ヵ月で解除されたとしても、その後自粛ムードが残存した場合、消費支出がさらに長期間下押しされる懸念あり。加えて、前頁の試算は消費支出の減少のみを試算したものであり、消費減少が長引いた場合、雇用や賃金、設備投資等の下振れを通じたマイナス影響が出てくる可能性もあることには留意が必要。

緊急事態宣言が関西経済に及ぼす影響-関西での消費支出は1ヵ月で1,000億円程度下振れ-(PDF:306KB)
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