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オフィス移転とこれからの働き方

2020年11月25日 中村恭一郎


 このメールマガジンが発行される直前の11月24日、創発戦略センターはオフィスを移転しました。人員増加などを背景に、2017年末に本社オフィス近くの第三オフィスへと移転しましたが、コロナ禍における働き方の変化を契機に本社オフィスへ戻ることとなりました。

 緊急事態宣言が明けた6月、創発戦略センターは「成果が上がる環境・場を主体的に選択する働き方の確立」をスローガンに掲げました。部全体や各チームの定例会議は原則オンライン化し、在宅テレワークに加えて各所にある外部シェアオフィスの活用も推進しています。コンサルタントにとってお客様とのコミュニケーション機会は何よりも大切です。感染症対策に留意しながら、私たち自身の働き方を率先して変え、どのようなコミュニケーション機会をご提案すれば良いのか、お客様のご協力も頂きながら試行錯誤を続けています。

 創発戦略センター内の働き方で言えば、オンライン会議は、定例的な会議など目的や伝達事項がはっきりした会議には特に向いていると感じます。一方、会議前後での「雑談」が発生しづらいといった傾向は確かに感じるところもあり、柔らかい段階にあるアイデアや構想をじっくりと議論するためには、それに適した場を意識的に設けるようしています。

 今回のオフィス移転では、部としての専有スペースを大幅に削減しました。所属員全員がオフィスに集まることはないという前提になっており、実際、全員が集まるとオフィスには入りきれません。感染症対策との両立という観点からも、大人数が集まる状況を回避することが前提になっています。

 こうした働き方、オフィスのあり方の変化をデータで見ますと、東京都心部でははっきりとした傾向が現れています。コロナ禍以前、都心部オフィスは長期にわたって需要超過の状態にあり、都心部平均オフィス空室率は1.5%前後となっていました(出所:三鬼商事ウェブサイト「オフィスマーケットデータ(東京ビジネス地区)」)。それが現在では、需給均衡の目安とされる3%を上回って3.93%(2020年10月時点)まで上昇しています。中でも、IT系などテレワークを導入しやすいとされる業種の集まる渋谷区では5.14%まで上昇しており、働き方、オフィスの使い方に大きな変化が起きていることが分かります。

 働き方の変化は業種や仕事内容によって様々ですから、すべてが同じ方向に変化するとは考えていません。本メルマガ執筆時点ではコロナ禍第三波の広がりが懸念され始めており、感染症対策の中で引き続き試行錯誤が続くものと思います。

 この半年間、社会全体が経験してきた働き方の大きな変化については、いずれ良い面も悪い面も冷静に評価しようという時期がくるでしょう。働き方改革はコロナ禍以前から重要な社会課題でした。「コロナ禍以前の働き方に戻るべきかどうか」の議論ではなく、これからの時代に相応しい働き方は何か、そのために必要な環境づくりはどのようなものかを考え、発信し、引き続き新しい事業やマーケットを創出する「ドゥ・タンク」の一員でありたいと思います。既に、筆者が携わる都市開発の分野ではコロナ禍を契機とした新しい街づくりのあり方、その実現に向けた技術、事業手法、先進事例などが議論されています。今後は、そうした動きについてもご紹介できたらと思います。


※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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