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リサーチ・アイ No.2020-044

米大統領選がもたらす米欧関係の変化 -欧州企業のリスクは低減も、大幅な関係改善は望み薄-

2020年11月06日 高野蒼太


11月3日の米国大統領選の帰趨はまだ決していないものの、現状ではバイデン氏選出に一歩前進。米国議会がねじれとなる公算が大きいなか、大幅な政策変更は進めにくいものの、外交政策については米国第一主義から国際協調路線への転換に挑む見込み。対EUについては、財貿易を中心としたトランプ政権下でのやや対立的な姿勢が和らぎ、欧州企業の関税リスクが低減する見通し。主な注目点を整理すると以下の3分野。

まず、財貿易については、航空機補助金問題や鉄鋼・自動車などにおける関税引き上げ合戦が当面停止へ。相対的に対米輸出依存度が高いドイツ企業のほか、航空機問題ではフランス企業を中心にリスクが後退。ただし、米国内の産業・雇用を保護する姿勢を踏まえると、これまで引き上げられた関税の撤廃といった大幅な改善は見込み薄。

一方、デジタル課税をめぐる問題では、引き続き対立が継続。昨年、米国の巨大IT企業を念頭に置いたデジタル税の導入をフランスが決定したことなどに米国が反発。現在は新税導入・対抗措置ともに保留となっているものの、米・EUともに妥協の余地は小さく、交渉で折り合いがつく公算は小。

また、バイデン氏は、環境分野への大規模投資を公約。EUは同分野への規制強化を早くから進めており、それに対応するために企業の環境関連投資も増加傾向。とりわけ欧州各国は再生可能エネルギー技術に強みを持っており、関連分野でのEU企業への需要増加が期待可能。

米大統領選がもたらす米欧関係の変化 -欧州企業のリスクは低減も、大幅な関係改善は望み薄-(PDF:290KB)
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