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リサーチ・フォーカス No.2020-025

鄭義宣新会長下の現代自動車の行方と課題ー電動化で中国販売の立て直しとASEAN 市場への進出を狙う

2020年10月27日 向山英彦


韓国では、去る10 月14 日、鄭義宣(チョン・ウィソン)首席副会長が、父親の鄭夢九(チョン・モング)会長の後を継いで、現代自動車グループ会長に就任した。

同グループは2000 年代に入ってプレゼンスを高めた(生産台数で世界第5位の自動車グループに)が、16 年以降中国での販売台数が急減するとともに、米国での販売台数も17 年、18 年に前年を下回るなど、経営不振が続いた。

18 年9月に首席副会長に就任した鄭義宣は、①米国販売の立て直し、②CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)への積極的対応、③研究開発投資の拡大、④未来に向けた事業の再構築などに取り組んだ。その後、19 年末に「現代自動車2025 戦略」を発表し、スマートモビリティデバイスの製造とスマートモビリティサービスの提供の二つを今後の事業の柱にする計画を示した。

小型EV(電気自動車)コナと大型SUVパリセード などの投入によりSUVのラインナップを拡充させたことが功を奏し、米国での販売が復調するとともに、欧州を中心にEVの販売が増加するなど、改革の成果が表れ始めた。

こうした一方、中国では依然として販売の低迷が続いており、その立て直しが最大の課題になっている。具体的な戦略はまだみえないものの、「現代自動車2025 戦略」において、電動化によるポジショニングの上昇と記されていることから、今後電動化を加速させていく可能性が高い。

さらに、潜在成長力の高いASEAN(東南アジア諸国連合)地域での事業を拡大していることに注意したい。新たな成長機会(新興市場、エコカー需要、モビリティサービスなどの需要)を活かせることができるのか、注目される。

・鄭義宣新会長下の現代自動車の行方と課題ー電動化で中国販売の立て直しとASEAN 市場への進出を狙う(PDF:581KB)
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