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リサーチ・レポート No.2020-025

コロナ対応の中小企業向け資金繰り支援策の効果と今後の課題

2020年10月19日 谷口栄治


コロナ危機を受けて、わが国当局は企業の資金繰り支援策として、①政府系金融機関や民間金融機関による実質無利子・無担保融資や資本性資金による金融支援、②日銀による金融機関向けの新たな資金供給オペ、③地方銀行等に資本注入しやすくするための金融機能強化法改正、等を整備。

こうした資金繰り支援の効果もあり、法人向け貸出残高はここ20年における最大の伸び率で拡大。中小企業の借入難も限定的にとどまっているほか、貸出残高も宿泊・飲食業、小売業、製造業等が伸びを牽引。日銀による特別オペも金融機関の企業に対する資金繰り支援をサポート。

現在までのところ、企業倒産件数の急激な増加を抑制できているほか、4~6月期の地方銀行の決算についても与信コストの伸びは限定的。政府・日銀、金融機関等によるここまでの危機対応は一定の効果を発揮したと評価可能。

一方、中小企業の景況感や業況をみれば、宿泊・飲食サービス、小売、生活関連サービス・娯楽、医療・福祉といった業種で悪化。こうした業種は中小企業のシェアが高く、地方経済においても重要な役割を担う産業であるが、売上の減少、借入残高の増加により、債務負担が増大。

コロナ危機による経済への影響が長期化するなか、貸し手サイドからみれば、「健全性(ソルベンシー)」リスクへの対応が重要に。金融機関としては、コロナ危機で苦境にある企業のビジネスモデル転換に向けて、資金繰り支援にとどまらず、資本性資金も含めたリスクマネーを供給や、業態転換のサポートならびにその成功体験の横展開、中小・零細企業のデジタライゼーションの推進等にも取り組んでいく必要あり。

加えて、地域金融機関においては、ポスト・コロナの産業政策の立案に主体的に参画するとともに、その実現に向けて、企業の合従連衡や開廃業支援の推進も含めた包括的なサポートも重要。

なお、資金繰り支援策については、申し込みの殺到による現場の混乱、手続きの遅れといった課題も顕在化。これを教訓として、スムーズに金融支援が受けられる態勢を整備していくことも肝要。

コロナ対応の中小企業向け資金繰り支援策の効果と今後の課題(PDF:1450KB)
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