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リサーチ・アイ No.2020-035

日銀短観(9月調査)予測 ―景況感は最悪期を脱するものの、回復ペースは緩やか―

2020年09月14日 北辻宗幹


10月1日公表予定の日銀短観(9月調査)では、緊急事態宣言の解除により経済活動が再開されるなか、景況感は持ち直しに転じるものの、需要低迷が続く業種などを中心に回復は限定的となる見通し。

大企業・製造業の業況判断DIは、前回調査対比+10%ポイントの改善を予想。業種別にみると、前回調査で景況感が大幅に落ち込んだ自動車では、世界的な販売台数の回復に伴い、DIが持ち直すものの、その他の業種では、海外経済の停滞を受けた輸出回復の遅れなどを背景に、低水準での推移となる見通し。一方、大企業・非製造業の業況判断DIは、同+8%ポイントの改善を予想。新型コロナ感染拡大を契機にデジタル化が進んだ恩恵から情報サービスなどが押し上げに寄与する見通し。新型コロナによる影響が最も深刻な宿泊・飲食サービス・対個人サービスでは、経済活動の再開に伴い景況感は改善するものの、自粛ムードの残存やインバウンド需要の消失により、改善余地は限定的となる見込み。

中小企業・全産業の業況判断DIは、前回調査対比+1%ポイントの小幅改善を予想。国内消費の回復の遅れによる売上の低迷が重石となる見込み。

先行き(12月調査)は、全規模・全産業で9月調査対比+2%ポイントの小幅上昇を予想。新型コロナにより経済活動停滞の長期化が懸念されるため、先行きの景況感も慎重な見方が続く見込み。

2020年度の設備投資額(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、全規模・全産業ベースで前年度比▲2.3%と、前回調査対比▲1.5%ポイントの下方修正を予想。例年の9月調査では、あまり大きな修正は行われないものの、収益環境の大幅な悪化や、先行きの業績も見通しにくいことを受け、不要不急の設備投資を延期・中止する動きが拡大する見込み。

先行きについては、経済活動が新型コロナ流行前の水準まで回復するには、時間を要するとみられるなか、生産能力増強のための投資に踏み出し難いほか、中小企業を中心に資金繰りが厳しくなる企業も出てくることなどが投資の抑制要因に。今後の修正パターンは、例年に比べ、慎重な足取りとなる見込み。

日銀短観(9月調査)予測 ―景況感は最悪期を脱するものの、回復ペースは緩やか―(PDF:266KB)

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