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リサーチ・アイ No.2020-029

2020年度の倒産件数は3~4割増加

2020年07月29日 北辻宗幹


新型コロナの影響で景気が急速に悪化したものの、足許の倒産件数は、前年と同程度の月700~800件と抑制されている状況。

この背景には、新型コロナで影響を受けた事業者に対する、政府の大規模な資金繰り支援策。政府系金融機関による中小企業向けの「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「新型コロナ対策資本性劣後ローン」のほか、信用保証制度への補助を通じた、民間金融機関における実質無利子・無担保の融資などにより、資金繰り支援を強化。足許では、日本政策金融公庫の貸出残高が急増したほか、民間金融機関からの貸出も増勢が加速しており、政府の資金繰り支援策が企業を金融面から下支え。

もっとも、政府の資金繰り支援策は一時的な売上減少への対応という側面が強く、新型コロナの影響が長期化すれば、倒産件数の増加が避けられず。売上高経常利益率との相関をもとに試算すると、2020年度の倒産件数は、前年度に比べ3~4割増加し、約10年ぶりの高水準になる見込み。業種別では、売上が大幅に減少し、固定費に対する現預金比率が低い宿泊・飲食サービスなどで、倒産が大幅に増加する可能性大。

政府は、新型コロナの影響長期化を前提に、一時的な財政悪化を容認し、既存の資金繰り支援策の融資上限額を拡大することが急務。また、企業は、「3密の回避」といった需要変化や「デジタル化」などの構造変化に応じ、事業転換を進めることが必要。

2020年度の倒産件数は3~4割増加(PDF:258KB)

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