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RIM 環太平洋ビジネス情報 Vol.20,No.77

CASE 革命の進展と韓国企業-システム半導体事業強化の契機にするサムスン電子

2020年05月19日 向山英彦


本稿では、韓国でCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)革命がどのように進展しているのかを概観した後、これを契機に、サムスン電子が電装品やシステム半導体事業を強化していることを明らかにする。

今日IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの技術革新が進展するなかで、CASE革命が注目されている。新たなモビリティ(移動)サービスの実現やCO2排出量の削減につながることが期待されるからである。

CASE革命が進展するなかで、IT企業の自動車産業への参入が広がっている。自動運転を技術面で支えるのが半導体であるため、情報を収集する各種の高度センサーをはじめ、瞬時に多元的情報を解析して最適解を導き出すAI技術(その機能を果たす半導体)の開発などに、各企業ともしのぎを削っている。

サムスン電子はCASE革命に戦略的に対応して、電装品やシステム半導体事業の強化につなげようとしている。システム半導体事業の強化は過度なメモリ依存の是正にもつながる。19年4月に「半導体ビジョン2030」を発表し、30年までにメモリだけでなく、システム半導体市場でも世界1位をめざす大胆な目標を掲げた。

システム半導体の生産拡大には、設計開発を担う高度人材、ファブレス企業や研究機関との連携、ファウンドリーなどのエコシステムの整備が必要である。サムスン電子の同上ビジョンが発表された直後、韓国政府は「システム半導体ビジョンと戦略」を発表し、積極的に支援する方針を示した。

短期的には新型コロナウイルスの影響による世界経済の後退が懸念されるが、中期的にみれば、第4次産業革命やCASE革命の進展、5G(第5世代移動通信システム)の本格的普及に伴い、半導体需要が増加していくのは間違いないであろう。

韓国におけるCASE革命の進展やシステム半導体の生産拡大は、素材や製造装置を生産する日本企業にもビジネスチャンスとなる。その一方、日本政府による対韓輸出管理強化を契機に、韓国で輸入先の多角化や国産化などが広がっているため、韓国での動きに注意を払いながら、今後の韓国ビジネスのあり方を検討する必要がある。
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