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リサーチ・アイ No.2019-053

高付加価値化が進むわが国の輸出

2020年02月18日 北辻宗幹


2018年以降、米中貿易摩擦などを背景に世界貿易量が伸び悩むなか、わが国の輸出は低迷。もっとも、わが国の輸出動向を示す指標のうち、輸出数量指数は大幅に落ち込んだ一方、実質輸出の減少幅は限定的。

数量のみならず、実質的な価値の変化も反映する指標である実質輸出が、数量の変化のみを示す輸出数量指数ほど落ち込んでいない状況は、輸出財の高付加価値化の進展を示唆。実際にその度合いを示す高付加価値化指数(※)をみると、2018年以降、上昇ペースが加速。
(※)高付加価値化指数は、輸出財の品質変化を踏まえた価格変化を表す輸出価格指数を、同じ品質の輸出財の価格変化を表す輸出物価指数で割ることにより算出。

品目別にみると、とりわけ、電気機器と精密機器類の高付加価値化が進展。この背景には、企業が競争力を強化するために輸出製品の高品質化を進めていることが指摘可能。具体的に、電気機器では、小型化・省力化のほか、大容量化・高速化など電子部品の品質向上が顕著なほか、高機能・高品質な家庭用電気機器を国内で生産し、輸出する動きも。また、精密機器類においては、測定機器、分析機器などで精度や速度が向上した新製品の投入が進展。

こうした輸出製品の高付加価値化は、海外需要の取り込みにも寄与。実際、高付加価値化が急激に進む半導体等電子部品をみると、足許のわが国からの輸出は、世界の半導体需要の伸びを上回るペースで増加。世界の需要拡大が、先行き緩やかにとどまるとみられるなかで、わが国の輸出を伸ばしていくためには、このような高付加価値化への取り組みを続けることにより、競争力を高めることが必要。

高付加価値化が進むわが国の輸出(PDF:229KB)
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