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リサーチ・アイ No.2019-052

2019~2021年度改訂見通し― 景気は回復軌道に復帰する見込みながら、新型肺炎の影響は要警戒 ―

2020年02月17日 村瀬拓人


2019年10~12月期の実質GDPは前期比年率▲6.3%(前期比▲1.6%)と、前回2014年の消費増税時(4~6月期:前期比年率▲7.4%)以来の大幅なマイナス成長。個人消費が同▲11.0%減少するなど内需が大きく落ち込んでおり、消費増税により日本経済が下振れている姿が鮮明に。

今回の改訂見通しでは、世界的なIT需要の持ち直しや、人手不足などを背景とした企業の積極的な設備投資姿勢、政府の経済対策などが景気を下支えすることで、景気は再び回復軌道に復帰するとの見通しを維持。ただし、増税後の個人消費の予想を上回る落ち込みや新型肺炎の流行などの影響を踏まえ、2019、2020年度の成長率見通しを、それぞれ+0.4%、+0.8%(前回:+0.9%、+1.0%)に下方修正。

昨年10~12月期の個人消費の落ち込みは、消費増税に加え、10月の大型台風の襲来や暖冬など様々なマイナス要因が重なった影響も。足許では持ち直しの動きも出てきており、1月の景気ウォッチャー調査では、増税直後の落ち込みに比べ消費が回復してきているとのコメントが散見。軽減税率の導入などもあり、増税後も家計の実質所得は前年水準を上回って推移していることから、駆け込み需要の反動減が一巡するにつれて、個人消費は再び増加基調に復帰する見通し。もっとも、家計の痛税感の払拭に時間を要しているため、個人消費が増税前の水準に回復する時期は、従来想定していたより後ずれする見通し。

新型肺炎の流行も成長率の下押し要因。国内の生産活動へのマイナス影響については、中国で生産される中間財の代替生産を国内や他のアジア諸国で検討している企業も多いことから、現時点では限定的と判断。日本経済へのマイナス影響は、インバウンド需要の減少が中心となる見込み。ただし、国内でも感染拡大が加速すれば、家計の消費行動と企業の生産活動が大きく制限されることで、景気の大幅な失速は避けられず。

2019~2021年度改訂見通し― 景気は回復軌道に復帰する見込みながら、新型肺炎の影響は要警戒 ―(PDF:195KB)

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