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リサーチ・アイ No.2019-030

当面のインバウンド消費の見方― 訪日韓国人の減少分をラグビーワールドカップ効果が相殺 ―

2019年10月09日 北辻宗幹


日韓関係の悪化により、8月の訪日韓国人数は前年比半減。2018年の訪日韓国人の消費額は、5,738億円と全体の12.3%を占めるため、インバウンド消費の落ち込みが懸念。実際、景気ウォッチャー調査でも、訪日韓国人の減少を指摘する声が多数。

一方で、ラグビーワールドカップ(RWC)観戦目的の訪日客は増加。大会組織委員会の試算によると、約40万人の観客が訪日し、1,057億円のインバウンド消費がもたらされる見通し。

そこで、①訪日韓国人は前年比▲60%、その他は1~8月までの増加率(年率+8.6%)が持続、②RWC観戦目的の観光客が9月15日~11月8日まで滞在すると想定して試算すると、7~9月期のインバウンド消費は減少するものの、10~12月期はRWC効果で持ち直すとの結果に。2019年全体でみれば、訪日外客数は落ち込むものの、インバウンド消費額は訪日韓国人の減少分をRWC効果がほぼ相殺する格好に。もっとも、来年以降も訪日韓国人の低迷が続いた場合、インバウンド消費の減少は不可避。

今後、インバウンド消費を継続的に増加させるためにも、今回のRWCや2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックなどのイベントを活かし、日本の魅力を世界により積極的にアピールしていくことが重要。また、アジアにとどまらず、消費単価が高い欧米客へのプロモーションも強化していく必要。

当面のインバウンド消費の見方― 訪日韓国人の減少分をラグビーワールドカップ効果が相殺 ―(PDF:311KB)
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