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リサーチ・フォーカス No.2019-022

ミャンマー経済:持続的発展への課題-テクノクラート育成が左右するアジアのラストフロンティア-

2019年09月26日 塚田雄太


この約30 年間、魅力的な国内市場規模と地理的優位性から「アジアのラストフロンティア」とうたわれたミャンマー経済は、その期待を裏切り続けている。足元の一人当たりGDP は、着実に経済発展を遂げているベトナムの半分程度でしかない。

この原因として「非民主的な軍政」が一般的に指摘されることが多い。しかし、他のアジア新興国が必ずしも民主的な体制下で発展してきたわけではないことや、軍政期間中に中・印・ASEAN との連携が強まったこと、「民政移管」後も経済が上向いていないこと、等を踏まえると、それ以外の要因が作用している可能性が高い。

ミャンマーに先行したアジア新興国の発展から考えると、ミャンマー経済低迷の原因は、インフラの未整備や未発達な金融システム、効率性・透明性の低い行政機能など、外資誘致環境の未整備にあると考えられる。その根因には、未整備の高等教育制度や不健全な官僚制度により、テクノクラート人材が不足し、体系的かつ長期的な政策立案・実行ができなかったことが大きい。

ミャンマー経済が発展軌道に乗るには、海外機関からの積極的な人材受け入れや地道なテクノクラート人材育成を通じて、行政機能を強化することが求められよう。それによって体系的かつ長期的目線に立った外資導入環境を整備することが、ミャンマー経済の飛躍に不可欠である。


ミャンマー経済:持続的発展への課題-テクノクラート育成が左右するアジアのラストフロンティア-(PDF:553KB)
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