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今後の企業人材が活躍できる環境創り

2019年07月23日 井熊均


 日経新聞に早稲田大学が行った人材採用に関する企業のニーズに関する調査結果が紹介されていました(2019/7/15付日本経済新聞 朝刊)。それによると、日本企業は外資系企業に比べて、「論理的に相手を説得できる人材」より「空気を読んで、円滑な人間関係を築くことができる人材」の方が望ましいとする明らかな傾向が見て取れました。ここのところ、日本企業の中でもグローバル化、オープンイノベーション、異才を求める、という言葉が日常的になったと思っていたので、この結果にはやや驚きました。スローガンとは裏腹に、日本企業の体質は変わっていないのかもしれないと思いました。

 どこの国の企業でも円滑な人間関係を築くことができる人材を求めることは変わりません。ただし、それを重視し過ぎると事なかれ主義や組織の論理が優先されるようになる可能性もあります。

 これから日本企業の人材のバリエーションは確実に広がっていきます。国籍、年齢、性別等、色々な人が活躍できる環境を創り、秀でた才能を見い出すことが、成長の必須条件になります。技術革新の影響を受ける分野では、その必要性が一層強くなるでしょう。そこで重要になるのは、色々な立場の意見に耳を傾け、個々人の持つ才能を引き出していこう、とする姿勢です。光る才能を持つ人なら角の立つこともあるでしょう。聞き分けの良い異才を求めたり、外部の人が自分たちの都合に合わせてくれたりすることを期待する意識は払しょくしなくてはなりません。

 色々な立場の人が集い、才能が開花する組織づくりに不可欠なのは、個性を認め合う文化を浸透させることだと思います。才能は何時芽生えるか分かりませんから、個性を認め合うことは組織の中から異才が誕生することにつながるでしょう。また、社外の優秀な人達とのコラボレーションにもつながるはずです。個性はこれからの組織運営のキーワードになると思うのです。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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