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躍進する中国に対する世界の共通課題

2019年01月29日 井熊均


 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 好調だった2017年、2018年と打って変わり、2019年は経済、政治面の不安を抱えてスタートしました。その中の大きな要素の一つが米中の緊張関係でしょう。

 2010年代に入ってからの中国の躍進は目覚しいものがあります。低コスト、大量生産が売り物だった時代を完全に終わり、最近では革新技術での中国の躍進ぶりが脅威に映るようになりました。様々な圧力をかける最近のアメリカの対中政策の裏には、こうした脅威もあると思います。

 重要なのは、「14億の国民を抱え、科挙以来の教育基盤を有する国が、世界トップクラスの経済力を手にし、本格的な発展段階に入った」、という誰も経験したことのない事態に世界が向かい合っている、との認識を持つことです。経験のないことですから、脅威を感じるのは仕方ありませんが、「14億人の市場が正しい方向で付加価値を高めれば、世界にかつてない恩恵をもたらす可能性がある」、との認識も重要です。正すべきものは正すよう求めることも必要ですが、脅威を感じるあまり、過度に抑え込んでしまっては、恩恵を享受することができません。躍進する中国とどのように付き合うかは、アメリカのみならず、世界中の国に共通する課題なのです。

 今月末、「中国が席巻する世界エネルギー市場 リスクのチャンス」という本を刊行しました。この本を読んで頂ければ、エネルギー市場を題材に、中国躍進の実態と背景を理解いただけると思います。隣国であり、長い歴史を有する日本は、他国にも増して、今向き合っている局面への正しい理解が重要なのです。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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