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共に成長するための場づくりをご支援する ~変容するアジア新興国プロジェクト参入の要諦~

2016年09月13日 中村恭一郎


 およそ5年前、私は、このメールマガジンで「アジア新興国でのスマートコミュニティー(スマコミ)やインフラプロジェクトに参入するためには?」というトピックスを掲げました。

 当時、こうしたプロジェクトに日本企業が参画するためには、政策や企画などプロジェクト上流へアプローチすることが重要と常々言われていました。新興国でのスマコミ、インフラプロジェクトというと政府主導の大型開発が主流であり、政府に対する開発コンセプトやマスタープランの提案、開発仕様を打ち込む「スペックイン」の実現こそが参入の成否を握るという考え方が一般的でした。そのために、トップセールスや官主導の「オールジャパン」体制構築といった施策が推進され、中国、中東諸国、インドといった国々には数多くの官民ミッション(官民一体での案件発掘・提案活動)が派遣されたのでした。

 その当時、これらの国々に共通していたのは資源マネー等を背景とする圧倒的な資金循環と「爆発的な」経済成長です。「砂漠に何十万という人々が生活する最先端の都市を作る」、「大陸を縦断・横断する鉄道を整備し沿線に都市を作る」など、どの開発案件も日本で生活する私たちの常識観を圧倒的に上回るスケールであり、政府主導の開発スピードは凄まじいものがありました。

 それが、今ではすっかり、その様相が変わってしまっています。爆発的成長の時代から安定的成長の時代へと移るにあわせて、これらの国々では、前述したようなスケール、スピードの政府主導プロジェクトが次々と出てくるという時代ではなくなりました。代わって隆盛しているのは、アジアにおいてはタイ、ベトナム、ミャンマーといった国々での現地民間企業(ローカル企業)主導のプロジェクトです。住・工・商の複合開発やハイテク工業団地開発、民間による鉄道沿線開発など数多くのプロジェクトが進んでいます。「民間」が主導している背景には、中国や中東諸国のように桁違いの資金力や牽引力を政府が持ち合わせていない、あるいは、民主化が進展しまさに成長はこれからだといった事情もあります。

 ローカル企業が進めるプロジェクトは、市場による選別が早く、そして要求水準が厳しいことが特徴です。プロジェクトオーナーたるローカル企業のビジョンやプロジェクトのコンセプト、実行力や資金力が一義的にはプロジェクト成否の判断指標とされます。参入を目指す日本企業から見れば、「誰と組んで事業を進めるのか」が成否に直結するという点が最も重要でしょう。国によって、財閥企業、政府系民間企業、新興企業とプレイヤーは様々ですが、選択肢が複数ある中で、有望・有力なパートナーをしっかりと見極める必要があります。

・国や地域といった外部環境の変化を積極的に理解し、自社のビジョンや活動に反映している企業か。
・顧客が重視すること、求めることに応えていくことが、自社を成長させると考える企業か。
・専門的知見や経験を持つ外部パートナーとの協働に積極的な企業か。
・パートナーに委ねるべきは委ね、自らが注力すべきことに自覚的な企業か。
・パートナーの知見、実績、ブランド等に対し、正当な対価を提示する企業か。
・パートナーとの長期的な協働と、共に成長することを志向する企業か。

 当社のミッションは、新しい市場やプロジェクトに積極的に参入しようとする日本企業と、海外現地の有望・有力パートナーとの協働の場作りを支援し、実績・成果を創り出すことです。そして、長期的なパートナーシップのもとで、三者が共に成長していくことに最も価値があると考えています。お客様から「良いパートナーとつなぎ合わせていただいた」と言っていただけるよう、引き続き取り組んでまいる所存です。


※執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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