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新興国での事業展開

2014年06月04日 井熊均


  国を二分した政争の末、タイでクーデターが起こりました。事態収拾のためとポジティブに受け取る向きも多いとはいえ、微笑の国と言われたタイで起こったクーデターは驚きをもって受け止められました。海外市場での活動が多くなり、新興国市場で何度か驚くような経験をしました。中国については、3年前尖閣諸島問題が発生し、我々を含め、日中間で行われていた多くのプロジェクトが影響を受けました。マレーシアでも昨年行われた首相選の後でプロジェクトの方針が大きく変わりました。政治や政策の影響だけではありません。インドや中国では労働争議により事業運営に大きな影響が生じています。



 こうした事態が起こると、対象となった国での事業に関係している人は夜も眠れないような日々を過ごすことになります。事業への影響を少しでも軽減しようと奮闘するものの、個人や企業では如何ともし難いと気が付くことも少なくありません。



 それでも、企業は新興国市場での事業展開をやめる訳には行きません。日本の場合、景気が回復したとはいえ、中期的に見れば国内市場に大きな成長が望めないことは否めません。EU市場も最悪期は脱したものの、いまだ堅調とは言えません。アメリカ市場は比較的好調ですが、高成長とは言えません。リスクがあっても、新興国市場を注視しない訳にはいかないのです。



 そうは言っても、予想もつかない事態が起こる新興国でどのように事業に取り組んでいけばいいのか、と悩む方は多いと思います。私もそのうちの一人ですが、少なくとも二つのことが言えると思います。一つは、当地での良いパートナーを得ることです。パートナーの生の声を聴いて新聞などを読めば理解も深まります。もう一つは、マクロな視点で当該国市場を冷静に分析することです。専門家に歴史、政治、経済構造を聞くことで、目の前に起こっていることの行方が見えてきます。成長市場を手にするためにも、鳥の眼と虫の眼が必要、ということなのでしょう。




※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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