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地球温暖化を抑制するための取り組みの重要さ

2014年02月19日 井熊均


 関東圏は二週間連続で記録的な大雪に見舞われました。雪が降るたびに交通機関がまひし都会は弱さを露呈しますが、我々も、久しぶりの雪かきで筋肉痛になり、肉体的なひ弱さを思い知りました。



 今回の大雪をもたらしたのは急激に発達した低気圧です。初夏から秋口にかけて何度も日本列島を襲った爆弾低気圧と同じように、最近の気候変動が原因になっていると考えられます。ここのところ、日本だけでなく、世界中で干ばつ、洪水、竜巻、異常な高温、低温などが頻発しています。IPCCが発表した報告書を読み返せば、世界の気候は概ね彼らの予想通りに変動していることが分かります。日本でも、経験したことのない台風、大雪、酷暑などが日常的に繰り返されるようになると考えるべきです。



 その意味では、地球温暖化を抑制するための取り組みの重要さはますます高まっているはずです。しかし、ポスト京都(議定書)のための枠組みづくりは上手くいかず、排出権取引も勢いを失い、ドイツでは再生可能エネルギーの導入負担が問題になっています。数年前に比べると地球温暖化抑制のための動きは失速寸前と言わざるを得ません。中国は深刻な環境汚染で経済成長を押さえてでも環境対策に乗り出さざるを得なくなりましたが、これを対岸の火事と捉えることがあってはなりません。日本を含む全ての国々が世界的な規模で同じような危機に瀕しているのです。



 一方、視点を転じると、日本では自動車の燃費が20年前の半分以下になっていますし、エネルギー消費が実質ゼロになる住宅も商品化されています。京都議定書の枠組みが破綻しかかっている現状を見れば、多くの国々が参加できない理由があったと考えるしかありません。現段階で、それに代わり得るのは、日本などが持つ優れた環境技術をいかに普及するか、について世界的な合意を図ることだと思います。

[ Ikuma's Photo ]
[写真]スキー場の木々の美しい氷結です。雪も場所が変わると、見える姿も変わってきます。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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