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将来の市場を左右する重要な時期
2014年01月21日 井熊均
本年もよろしくお願いいたします。 今年は、創発戦略センターを率いる立場として、年明けから少し焦りを感じています。世間の動きが今までと比べて、かなり早くなっているように感じるからです。景気が良くなったことも大きな理由でしょう。しかし、それと同じくらい、ここ数年の企業の取り組みが動きを加速しているように思います。国内景気が低迷する中、海外では欧米、韓国、中国などとの熾烈な競争を余儀なくされたことで、企業が筋肉質となり、戦略が研ぎ澄まされたからです。政策サイドにおいても、二度の政権交代を経て、少なくとも事業関連では、実効性のある政策が検討されるようになってきています。 もう一つ言えるのは、中期的な目標が明確になってきたことです。具体的には、企業戦略、政策双方にとって、2020年という年が重要なマイルストーンになってきました。昨年、2020年と冠した本を2冊刊行しました。一つは、5月に出した「2020年 電力大再編」です。2020年までに、電力、ガスなどのエネルギー市場で半世紀に一度と言われる大幅な自由化が進められます。既に、多くの企業が新たな市場に向けた投資を始めています。もう一つは、12月に出した「自動運転が拓く巨大市場、2020年に本格化するスマートモビリティビジネスの行方」という本です。最近、自動運転を頂点とする自動車の高度制御が注目されています。報道されているように、いよいよグーグルなどの情報系企業が自動車分野に乗り込んで来ました。ここでも、2020年までが将来の市場を左右する重要な時期になりそうです。 加えて、日本には東京オリンピックという、これまた半世紀に一度のビッグイベントがあります。2020年までに、残すところ6年。大きな事業を実現しようと思ったら、もはや議論に時間を弄している時期ではありません。2014年が2020年に向けた実行の年となることを期待します。 |