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次の時代への渡河

2013年10月01日 井熊均



北海道、積丹半島の絶景です。
前回の通常国会の最終日、電気事業法の改正案が廃案となりました。日本の将来に影響を与える重要法案が政局で先送りされたこと大いに懸念を覚えます。次の臨時国会での成立が予想されてはいますが、問題は、巨額の公的負債、少子高齢化、産業競争力の優位さの低下、といった国家の危機を回避するための制度づくりが第一とされない日本の状況にあります。もちろん、政治姿勢の責任は大きいのですが、政治家を選んでいる国民の政策への関心の低さも大きな原因です。特に、将来、政策のツケを背負わざるを得ない若い世代の投票率の低さは大問題です。



若い世代の政治への関心を高めるにはどうしたらよいでしょうか。社内はもとより、大学の講師、クラブのコーチ、などを通じて若い世代と交流した経験から言うと、若い世代が政策に関心がないわけではありません。むしろ、自分が大学生だった頃と比べると、今の若者の方が余程社会のことを考えている、と思うことが少なくありません。彼らの関心を投票に向けることができない選挙制度にも大きな問題があると考えるべきではないでしょうか。



若い層の政策への関心を高めるために一番重要なのはネットの活用だと思います。情報の収集、コミュニケーション、など若い世代と我々の世代のスタイルはまさに隔世の感です。2000年に刊行した「電子自治体」という本で、若い世代の投票率向上の策として、携帯電話での投票を提案しました。当時、ある官僚の方に「選挙法違反です」と言われましたが、日本でもいよいよ選挙でのネット利用が解禁されますし、海外ではパソコンなどで投票が行われている例があると聞きます。


旧い制度に固執した結果、新たな世代の関心を得ることができないのはある意味当然の結果です。次世代への道を拓くためにも、若い人達のスタイルを積極的に制度に反映することが大切だと思います。

[ Ikuma's Photo ]
[写真上]世界中どこに行っても、日本は本当に美しいと思います。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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