コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

IKUMA message

相手を尊重する姿勢を

2012年10月10日 井熊均


中国では国慶節が終わり、日中関係がどの程度改善されるかが注目されます。中国側との交流回復に努力することが重要なのはもちろんですが、日本国内の情報などにも改善の余地があります。

先日、中国大使館が都内のホテルで開催したレセプションに出席しました。報道によると1200人が招かれたとされていますが、2000人くらいいるのではないかと思うほどの盛況でした。内容的にも、出席者をもてなそうとする姿勢が随所に見られたイベントだったと思います。

今回のレセプションが中止されると思っていた人は少なくなかったでしょうが、その中で、これだけの規模のイベントをあえて催したのは、中国の友好姿勢が変わらないことを示すためであったと考えます。

レセプションは中国大使のスピーチで始まりました。まず、日中関係の深さと実績を紹介し両国の関係の重要性を指摘された上で、尖閣諸島問題への懸念に言及され、この問題について両国は過去の見識に学ぶべきと結ばれました。この時期にできるスピーチとしては大変バランスの取れた内容であったと思います。しかし、当日と翌日の報道では、尖閣問題に言及したことだけが取り上げられ、両国関係の重要さや先人に学ぼうとする内容にはほとんど触れられていませんでした。現場にいた立場から見ても、これでは中立的な報道とは言えません。

大使のスピーチにもあったように、両国だけでなく、世界全体にとっても、日中の関係が重要であることは間違いありません。その改善は、まず自らが相手方を尊重する姿勢を持つことから始まるのだと思います。

[ Ikuma's Photo ]
張家港市にある鑑真和尚の出港の記念碑です。裏には阿倍仲麻呂の歌が記されています。日中の長い歴史に感銘しました。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ