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Business & Economic Review 2011年11月号

【特集 拡大する新興国経済と日本の対応】
中国エネルギー政策の転換と今後の方向性

2011年10月25日 王婷


要約

2011年3月に「国民経済及び社会発展にかかわる第12次5カ年規画」(12次5カ年規画)が採択された。同規画において、経済発展方式の転換が目標に掲げられている。このように、発展方式の転換に伴い、産業構造の調整、エネルギー利用、生活スタイルなど様々な分野に変換が求められている。

中国のエネルギー戦略も転換期に差し掛かっている。産業構造の調整、都市化の深化、資源価格の高騰、2020年までに温室効果ガス排出量を2005年対比40~45%削減するといった国際的な表明、2020年までに再生可能エネルギーの導入率を15%にするといった政策目標、など中国のエネルギー政策を取り囲む状況が大きく変化しているからである。低効率、粗放的な利用、高い環境負荷、資源の高い対外依存という従来の構造から、高効率、クリーンかつ安全、よく管理された利用、などからなるエネルギー戦略に転換できるかどうかは、経済成長のみならず、国家安全保障にまで影響を及ぼす可能性がある中国としての重要テーマになる。

現在作成中の「新興エネルギー産業発展規画(2011-2020)」では、上記の問題意識を背景に、2050年までの新しいエネルギー構造が提言された。そのなかで、省エネ優先、総量規制、多元化エネルギー構造、グリーンかつ低炭素、という大方針が定められた。とくに、2050年までの中国の経済成長とエネルギー需要の状況を予測するうえで、2030年までは化石燃料が主要なエネルギー源であること、2030~2050年には化石燃料と非化石燃料が半々を占めること、2050年以後に非化石燃料が主要なエネルギー源となること、といったロードマップが定められたことは注目される。

もう一つの特徴は、福島第一原子力発電所の事故を受けて、国営電力会社中心で進められてきた大規模集中型のエネルギー供給方式を見直す動きがあったことである。今年「分散型電源促進管理弁法(暫定)」が公表される予定で、分散型電源を促進する機運が生まれつつある。

本稿では、中国エネルギー構造の現状と問題点を整理したうえで、今後のエネルギー政策がどのような方向に転換するかを明らかにし、戦略転換がもたらす有望なマーケットを抽出することを目的とする。
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