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Business & Economic Review 2011年6月号

中国の都市化と低炭素成長への模索

2011年05月25日 王婷


要約

2010年に中国はGDP規模で日本を抜きアメリカに次ぐ第2の経済大国となった。その中国で改革開放30年間の成果が注目されている。世界的な金融危機と経済危機でも2009年に8%超の経済成長をとげた「中国モデル」が評価されているのである。
一方、国内では経済発展と人口増加に伴い、これまでの経済モデルでは、巨大化する中国を支え切れない、という問題を抱えている。2010年末中国の一人当たりGDPは3,200ドルに達したが、一人当たりGDPが3,000ドル以上になると、工業化後期に入るため工業化前期と異なる経済発展のモデルが必要とされる。中国は新しい、持続的な発展モデルへの転換を急いでいる。
国外に目を転じると、金融危機以後、欧米諸国経済に不透明な状況が続くなか、外需依存型の経済構造は持続性を失っている。欧米諸国も気候変動への対応と「ポスト金融危機」を見据えた産業構造への転換を図っており、かつてのような受け皿にはなりにくい。
1978年に開始された「改革開放」政策、90年代に鄧小平が提起した「白い猫、黒い猫」論、つまり白い猫にせよ、黒い猫にせよ、ねずみさえ取れればいい猫だ、という政策がこの30年間中国経済の高度成長をもたらした革新的なモデルだとすれば、次の50年中国に求められているのは持続的経済成長を支える新たな発展モデルである。これこそが今年から始まった第12次5カ年規画の最も重要な政策理念といえる。
 
2011年3月14日に閉幕した第11期全国人民代表第4回会議において「中国における経済と社会発展に関する第12次5カ年規画綱要」が採択され、中国の第12次5カ年規画がスタートを切った。このなかで、単なる「強い国」から「豊かな国民」へ、そして「社会公平」、「以人為本」、「持続的発展」を実現するためのアクションプランが明確にされていた。
本誌2010年10月号において、低炭素経済が今後の中国の発展のキーワードであることを指摘し、その理由について記した。本稿では最近公開された「12・5カ年規画」の内容を踏まえ、中国の持続的発展に向けた重要な要素と考えられる都市化と低炭素経済の重要性について論じることとする。
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