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日本の主要企業の収益回復が顕著になってきました。...

2010年11月09日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2010/11/09)
日本の主要企業の収益回復が顕著になってきました。中には昨今の円高の影響にも動じない力強い発言も聞こえます。収益回復を支えているのは企業の体質の改革です。成長著しい新興国市場に明確に舵を切ったことが大きな理由と考えられます。

成長と生存のために必要なことが分かれば、企業は敢然と取るべき策を講じます。外国人を社長に迎えることも、海外資本を受け入れることも厭いません。実質的な本社機能を海外に置く企業も出てくるでしょう。日本企業が将来に向けた毅然とした判断を行うきっかけになったのだとすれば、金融危機にも多少の効用があったと言えます。

一方で、国内市場は回復の兆しが見えてきません。世界経済の中心となりつつある中国と同等の市場規模を持つはずの国が低迷から抜け出せない最大の理由は、希望が持てないことに尽きます。それはグローバル市場に向けて舵を切り成果を上げつつある有力企業と日本という国の乖離が大きくなっていることを意味してもいます。均衡ある発展を目指してきた日本の中で、時代に付いていけるセクターとそうでないセクターの格差がますます開くことになりかねません。

今年の大学生の就職はかつてない厳しいものとなっています。しかし、一面で人材が足りないと思っている企業もたくさんあるのです。数としての人材ではなく、新しい時代を切り拓くための個々の人材を求めているからです。そうした企業では外国人採用の強化も当たり前になりつつあります。就職難には舵を切ったセクター(企業)と、付いていけないセクター(教育)の乖離という側面があるように見えます。

日本の未来は、時代の流れに乗れた人達の声にどれだけ耳を傾けられるかにかかっているのだと思います。

[ Ikuma's Photo ]
[写真上]マレーシアで行われたエコプロダクツ展に出講してきました。マレーシアの豊かな森の中にそびえ立つ超高層ビル、ペトロナスツインタワーです。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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