Business & Economic Review 2010年10月号
【特集 アメリカの中間選挙以降の政策課題】
次回の中間選挙:オバマ政権とその政策の通信簿
2010年09月24日 Robert F. Wescott Ph.D., and Kathryn L. Henderson,Keybridge Research LLC
1.はじめに
2009年1月、世界各国での安堵と大きな期待とともに、アメリカでバラク・オバマ氏が大統領に就任した。オバマ政権の発足は、長くアメリカの政治を支配していた党派心からの離脱の象徴であり、協力と現実主義を基本とする政治への移行の兆しであると広く受け止められた。大恐慌以来最悪となる深刻な景気後退に加えて、アフガン・イラクという二つの戦争が進行し、海外でアメリカに対する批判的な感情がますます大きくなるなか、オバマ大統領は経済を再活性化させ、同国の海外での評判を押し上げることができるだろうと、新政権に大きな期待が寄せられた。