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今夏、日本は113年に及ぶ観測史上最高と言われる暑さに見舞われました。

2010年09月07日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2010/09/07)
今夏、日本は113年に及ぶ観測史上最高と言われる暑さに見舞われました。連日の35度を超す猛暑にはさすがに参りました。記録的な暑さとなったのは日本だけではありません。中国では、上海周辺が40度に達する、肌を刺すような感じさえする暑さとなりました。

その中を歩いて、唐の名僧鑑真が日本への渡航を成功させた船出の地を訪れました。1300年昔、港だった場所は埋め立てなどで陸地となり、今は小さな川で揚子江につながっています。鑑真をして、5度にわたる渡航の失敗を重ね、盲目となりながらも日本に向かわせたのは、日本に戒律を伝えて欲しい、という懇願であったと言われます。渡航後の鑑真の活躍を思うと、日本人として頭の下がる気持ちになります。


港の跡には、鑑真の出港を記念する碑が建てられており、裏側に日本人による詩が大きく刻まれていました。唐に渡り、高官となった阿倍仲麻呂の歌です。当時、世界の文化、経済の中心であった中国に渡り、高官と処されるほどの評価を受けたのは余程の才覚があってのことでしょう。教えを施す側も命がけ、教えを受けに行く側も命がけ、という信念が当時の国と国との交流を支えていたのです。


国内市場の低迷もあって、毎日のようにグローバル化の必要性が問われ、同時に、島国故の日本の不器用さが指摘されます。しかし、歴史を振り返れば、日本にも、海を渡り世界のトップレベルの国で評価されるだけのDNAが存在していたのです。成長著しい中国にあって、日本人としての自信を取り戻すことができた思いでした。

※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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