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2006年にある経済誌に、東京を輸出すべき、という視点を盛り込んだ論文を...

2010年02月23日 井熊均



「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2010/02/23)
2006年にある経済誌に、東京を輸出すべき、という視点を盛り込んだ論文を書きました。経済成長著しい中国がアメリカ化すれば、世界のエネルギー需給や環境問題に決定的な影響を与えると考えたことが理由です。この論文は中国側にも評価され、中国語訳を中国機関のホームページに掲載していただきました。

かつて、「ウサギ小屋」のように狭い住宅に住み、満員の通勤電車に揉まれる日本の都市生活は、日本に本当の豊かさがないことの象徴とされました。しかし、最近では、都会のマンションも多少は広くなりましたし、機能性は大きく向上しました。道路は以前より円滑に走れるようになりましたし、一部では通勤電車の混雑が改善したところもあります。地球温暖化が世界的に注目されるようになると、実は東京は世界で最高レベルのエネルギー効率で、かつ便利に生活できる都市となっているのではないか、と思えるのです。エネルギー源が一層グリーン化され、電気自動車のような革新技術が普及するようになれば、理想的な都市生活が実現できるかもしれません。

最近、天津生態城を始めとする中国の環境都市の現場を歩いていると、日本の都市生活の知恵が役立つと思うことがあります。それは日本の先進技術や政策ノウハウなどの集積とも言えます。世界を見ると、2、30年前の何倍もの数の人達が都市生活を享受しようとしています。そこで大切なのは、限られた地球環境を効率的にシェアすることです。かつて豊かさの象徴であった、何百㎡もの家に住み、全館冷暖房を施し、一家族で2、3台の車を所有する、アメリカナイズされた生活を目標とすることはできないのです。
狭い国土で豊かさをシェアしてきた日本の知恵が活かされる時代になった。そんな自信を持ってみたい時代になりました。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上]高層ビルの間から緑の地平線が見えるというアメリカ、ヒューストンならではダイナミックな風景です。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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