コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

Business & Economic Review 1996年04月号

【INDUSTRY】
米国電気事業の規制緩和の動向-その社会・環境への影響を考える

1996年03月25日 技術情報部 飯田哲也


1.はじめに

風力発電、DSM(需要側管理)、原発廃止など環境意識が高くエネルギー政策先進国として知られ たカリフォルニアで、いま全米の先陣をきって電気事業の再編を軸とする大規模な規制緩和が進行 中である。これは社会に経済にそして環境に何をもたらすのか。このたびカリフォルニア州を訪問 する機会を得たので、同州における電気事業の規制緩和の最新動向を紹介しつつ、その行方を考察 する。

2.米国電気事業の全体像

カリフォルニア州で現在進行中の電気事業の規制緩和を紹介する前に、基礎的な理解として現在の 米国電気事業の全体像と米国における電力エネルギー政策の流れを概観しておく。わが国の電気事 業が全国を10地域に分けた同数の電力会社から成っている(注1)のと対照的に、米国電気事業 は規模も経営形態も実に多様でその数も3、000を超える。小は100戸程度の需要家から大 は一千万戸にも達し、経営形態も私営に加えて地方公営・協同組合営・連邦営とさまざまで、電気 だけではなくガスさらには蒸気の供給も併せて営んでいる会社もある。

米国の電気事業に対する規制は、連邦と州にまたがって行われている。連邦エネルギー規制委員 会(FERC)が電力の州際取引に関する監督権限を有し、州内取引(配電)や電気料金は州公益事業委 員会が監督するという一応の線引きはあるが、若干のグレーゾーンがある。

現在、カリフォルニア州を先頭に米国で進みつつある電気事業の規制緩和は、上記の中で主とし て公益事業委員会の規制下にある私営電力会社を対象としたものである。したがって、カリフォル ニア州では基本的にPG&E社、SCE社およびSDG&E社の3社を対象とした議論となる。しかし、 私営電力会社の大幅な改編は、数こそ少ないものの私営電力会社が販売電力量の8割近くを占める という事実と連邦が所管する送電にかかわるシステムの抜本的見直しを伴うがゆえに、必然的にあ らゆる電気事業を巻き込まざるを得ない。

3.米国エネルギー政策の流れ

次に米国のエネルギー政策の流れを見てみる。エネルギー政策における電気事業規制緩 和の最初のエポックは、カーター政権時代の1978年公益事業規制政策法(PURPA)である。石油ショ ックを背景として施行されたPURPAは、省資源や効率的な発電の促進を目的とした連邦法であり、 同法の下で電力会社は小規模発電事業者やコジェネレーションからの余剰電力の購入義務が課せ られた。それ以来、連邦レベルで多くの小規模電源が出現し、卸売市場が急速に拡大したのが、 米国における電気事業の規制緩和の端緒といわれている。

特にカリフォルニアでは、州公益事業規制委員会(CPUC)が1983年に導入したSO4(スタンダード ・オファー4)と呼ばれる標準契約化プログラムと免税措置が特筆される。この制度は、15年か ら30年という長期にわたって高く安定した価格で小規模発電事業者から電力を買取ることを電力 会社に義務づけたもので、わずか2年間で廃止されたが、カリフォルニアで風力やコジェネなど 小規模発電を促進させた最大の要因である。

また、DSMおよび統合資源計画(IRP)も米国のエネルギー政策の特徴である。DSMとは、新たな 電力需要を、発電所の増設ではなく省エネルギーで賄うもので、住宅断熱・太陽熱温水器・照明 取り替え・植樹などのプログラムがある。IRPとは、DSMを発電所と対等に評価し、環境などの要 素を含めて全体の費用を最小化する計画である。IRP自体は市民の要求と電源立地難を背景に、い ずれも電力会社による自主プログラムとして1970年代から行われていたが、1980年代後半にDSM導 入を促進するインセンティブ規制が導入され、1992年エネルギー政策法(EPAct)に基づいてIRPの 提出が電力会社に対して義務付けられてから活発となった。特にカリフォルニアにある2大電力 会社PG&EとSCEが全米でDSMプログラムへの出資最上位2社であり、サクラメント電力公社( SMUD)も地方公営電力ではDSMプログラムに最高の出資をしている会社である。なお、ヤンキーロ ー原発、サンオノフレ原発1号機、トロージャン原発はいずれもIRPによる評価に基づいて、19 92年に閉鎖された原発である。

4.電気事業規制緩和の要因

電気事業の規制緩和とは、電気事業の特徴である「自然独占」と発電-送電-配電を一社がカ バーする「垂直統合」との解体プロセスである。この「自然独占」の考え方は19世紀に英国か ら持ち込まれたものである。すなわち電気事業は「規模の経済性」が期待される分野であり、競 合する設備の重複を回避した方がより低コストでの電力供給が可狽ニなるため、不可避的に独占 に置き替わっていくというものである(注2)。また、その独占の弊害を防止するため、公的規 制が必要とされてきた。一方「垂直統合」は、電力という財の特殊性にともなう「範囲の経済性」 という考え方で正当化されてきた。すなわち、貯蔵できない電力は生産と消費が同時でなければ ならず、?発電と送電との一元的な管理が必要であること、?多様で多くの需要家をプールして 対応する方が経済的であるという考え方である(注3)。この他にも、産業の生産活動と市民生 活における必需性という観点から、安定供給への社会的要請が強いことも、電気事業を純粋な競 争原理に委ねることを避ける理由に用いられてきた。

しかし、こうした伝統的な考え方に対して、

・ 米国には、シカゴ学派に代浮ウれるように、市場の独占や規制介入に懐疑的な勢力が台頭した こと

・ 原油価格の低迷や発電技術の進展により、発電コストが大幅に低下したこと(現時点での限界 コストは約2.5円/kW時である)

・ 産業全体をリストラの波が覆う中で、レートベース方式による独占で高利益を維持している電 気事業への不満が高まってきたこと

・ 情報技術の進展により、「垂直統合」の要件であった電力生産と消費の管理も容易にできるよ うになったこと
などが電気事業の規制緩和を促す主要な要因となった。

特にカリフォルニアでは、80年代半ばの逆石油ショック以降に他州のような電気料金の低下が 生じていないため、全米平均と比べて電気料金が5割高くなっており、大規模需要家からの不満 が高まったことが規制緩和をさらに加速させた要因となっている。

こうした要因に加えて、卸発電入札の経験によって発電事業そのものは助ェに競争的であるこ とが立証され認識されたことが規制緩和の重要な引き金になった。この認識とともに、電力自由 化を妨げているのは「犬のシッポ」ではないかという議論が高まってきた 。すなわち、発電こそ が電力コストの8割以上を占め、複雑な意思決定や規制も必要となってくる「本体」であり、仮 に送電・配電という「犬のシッポ」が自由競争を妨げているのであれば、それを切り離すことに よって自由競争が可狽ニなるのではないかという議論である(注4)。少々乱魔ナはあるが、米 国における電気事業の規制緩和を象徴的に阜サしたものであろう。

5.加州の電気事業規制緩和の概況(注5)

90年代に入って、発電事業への参入規制の撤廃と卸電力への送電線の開放を定めたEPActの施行 を皮きりに規制緩和が加速された。ここで電力市場自由化を類型化してみると、カリフォルニア 州ではモデル3から4へという水平分割への移行プロセスにある。ちなみに今春から卸発電入札 が始まるわが国は、モデル1から2への移行期にあるといえよう。

規制緩和は、連邦レベルと州レベル各々で進行している。

連邦レベルでは、FERCがEPActにそって送電線政策声明(1994年10月)、そしてメガ規制案(1995 年3月)と重要な決定を下している。これによって、電気事業に対して全ての送電線の開放が義 務付けられた(送電線のコモンキャリア化)。具体的には、卸発電事業への送電サービスの提供、 送電業務や給電指令などの業務の分離、送電線利用の料金の分離などである。すなわち、送電と いう「犬のシッポ」の一つが切り離されたのである。

州レベルでは、1994年にCPUCが発浮オた「ブルーブック」がカリフォルニア州における電気事 業再編の原案である。「ブルーブック」では、次の再編原則を明示し、「プール」創設を中心と する改革案と「直接アクセス」をベースとする改革案の2案を提案した(注6)。

【CPUCブルーブックにおける再編原則】

・ 料金値下げのための競争の導入

・ 規制の簡素化

・ 消費者選択の促進

・ 需要種間でのコスト転嫁の排除

・ DSMや低所得者援助などの社会プログラムの継続

・ 再生可買Gネルギーの維持

・ 環境保護の維持

この「ブルーブック」をベースに電気事業再編が関係者で議論されたのだが、興味深いことに、 電力会社同士、州機関同士、環境NGOや消費者団体同士でこの両案に対する賛否が分かれた。 1995年5月に「プール」創設を中心とする改革案(POOLCO案と呼ばれた)がCPUCによって支持さ れさらに議論された結果、最終的にPOOLCO案をベースに直接アクセス案の要素を取り入れた電気 事業再編案が1995年12月にCPUCによって決定された。図浮Tはその概念図である。非常に複雑で あるが、簡単に説明を加える。

まず、電力取引所(Power Exchange, PX)と呼ばれる電力市場が創設される。これはちょうど株式市場のような概念であり、翌日における30分刻みの必要電力量の提示、それに対する発電事業者の入札、その結果としての30分刻みの電力コストの公開が行われる。独立発電事業者はもとより、従来の電力会社も基本的にはこの電力取引所を通じて電力を供給する必要がある。ただし、顧客のオプションとして「直接アクセス」も可狽ニなり、「直接アクセス」を所管する「アグリゲーター」と呼ばれる電力ブローカーも電力取引所に併設されることとなった。

そして電気事業再編のシステムとしての鍵を握るのが、ISO(独立システム管理者)と呼ばれ る中立機関の創設である。ISOは、送電および給電指令を一元的に管理する機関であり、配電会 社からの供給要請を把握し、電力取引所とアグリゲーターにこれを指示したり、送電状態そのも のの管理などを業務とする。従来、電気事業者が負っていた電力供給義務はこのISOが負うこと になる。

従来の電気事業者は、地域において供給責任はあるが独占ではない配電会社としての役割を主 に担うことになる。

1998年1月に嵐閧ウれているこの電気事業再編が行われた後、需要家は内容が分離された電気料 金明細を受け取ることになる。この分離料金は、発電費用、送電費用、配電費用、公共プログラ ム費用そしてCTCからなる。公共プログラム費用とは、社会公益的なプログラムのため の費用であり、低所得者補助のための費用、DSMのための費用、研究開発費用などである。そ して、CTCとは「電力会社が競争に移行するための補助金」であり、電気事業再編において費用面 での鍵を握る制度である。CTCは、カリフォルニア州の電気事業の発電原価と現在の電力の市場 価格との差額と定義され、実質的に回収不粕・pと位置付けられている。全ての需要家の電気料 金にCTCを上乗せし、2003年という期限を設けて競争力のあるところまで必要な資金を回収すると している。

6.規制緩和の現実面への影響

さて、こうした規制緩和はどのような影響をもたらしているだろうか。現実に生じている影響 や懸念される課題について、以下に紹介する。

(1)「不良債権化」した原子力

まず、原子力である。SCE社のサンオノフレ原発1号機が統合資源計画に基づく評価によって閉 鎖されるなど、米国では原子力はすでに経済性を失ったという事実は伝えられて久しいが、一連の 電気事業再編の中では「経済性を失った」ばかりか今や「不良債権化」している。前述のCTCが発 生する主因は原子力によるものである。後述するサクラメント電力会社(SMUP)では、すでに閉鎖し たランチョセコ原発のために、平均8セント/kW時の電気料金のうちの1.3セント/kW時をあてな ければならないうえ、これから廃炉のためにさらに250百万ドル(約250億円)を顧客から追徴しなけ ればならない。また、現在、市場価格を大幅に上回る高値で電力が購入されているPG&E社の ディアボロ・キャニオン原発は、1996年1月以降の料金値上げは認められず、2003年までに市場価 格にあわせるようCPUCから命令されている。

(2)公共プログラムの削減

CPUCの昨年の勧告では、電気事業者に対して低所得者援助やエネルギー効率化普及策などいわ ゆる公共プログラムを当面継続するように求めている。しかし、現実には、競争原理が浸透し電 気事業者の関心が電気料金水準に移るようになるにつれて、DSMプログラムによるコスト削減効果 の判断が厳しくなってきており、1994年末から1995年にかけて多くのDSMプログラムが縮小もし くは廃止された。特にカリフォルニア州では、PG&Eが2.5億ドルのDSM落Zのうち1億ドル、 実に40%もの削減を発浮オ(注7)、併せて低所得者を対象とする一部のプログラムを除く 全てのプログラムの縮小、廃止をCPUCに瑞ソした。また、再生可買Gネルギーを含む研究開発も 大幅に縮小された。PG&EのDSM費用も本年は5%増加する見通しとのことであるが、こうし た競争にはなじまない社会的費用の長期的見通しは不透明である。

(3)顧客の削減

電気事業再編で直接的な影響が生じるのは電力会社における雇用である。電気事業では、電気 事業再編に先立って競争力向上のための人員削減によるコスト削減が進められている。とくに、 新規の発電所建設の見送りによる建設要員の削減、省エネやDSMなど社会プログラム関連の要 員や技術開発要員の削減、自動化にともなう検針要員の削減が進んでいる。PG&E社では、 1991年に2万6000人いた従業員数が1995年には1万9000人へと7,000人もの削減が行われた (注8)。

(4)再生可買Gネルギーへの対応

再生可買Gネルギーは、環境保全のために社会的には求められているものの、現時点では必 ずしも価格競争力が助ェではない。そこで、CPUCでは、電力取引所およびアグリゲータに買電 する発電会社に、一定の割合(10%程度)の再生可買Gネルギーをミックスすることを義務付け 、その数値目標に対する過不足分は売買可狽ネものとする提案を検討中である。

7.規制緩和への社会・環境的視座

規制緩和によって、カリフォルニアの電気事業は、「垂直統合」された市場から「水平的市場 」へと、形態も機狽熨蛯ォく変わりつつある。電気事業の再編にともなう規制緩和とは、結局、 コストを最小化し「消費者」の費用を最小化するメカニズムが徹底していくプロセスといえよう 。レートベース方式(日本では総括原価方式)に基づく料金規制と「垂直統合」、「地域独占」 を規制で保護しようという従来の手法は、経済社会にとっては競争の障害となり、電気事業者に とっても健全な企業文化の形成を阻害する「監獄」となる。カリフォルニア州の電気事業再編は 、発電事業の一層の小規模分散化をもたらすとともに、電力コストが社会的に透明化し、ひいて は電気事業における官僚的な権威主義や政治的風土を排除するなど、社会的に歓迎すべきところ も多い。米国でも、多くの環境NGOがこの電気事業再編を支持している所以であろう。

しかし、電気事業の規制緩和には、通信事業や航空産業とは決定的に異なる慎重さが必要であ る。それは、電力が単なる商品ではなく「環境」と切り離せない関係にあることである。すなわ ち、市場経済の欠陥ともいえる「社会的費用の欠如」と「長期的な視点の欠如」が極めて重要な 意味を持つことを忘れてはならない。CPUCの決定でも、公共プログラムへの投資や再生可・ エネルギーの供給義務など、一定の社会的費用への配慮は見受けられる。しかし、全体としては 「消費者の利益」というスローガンのもとに電気料金の値下げが目標となっており、これは世界 最大のエネルギー消費国である米国に、間違いなく一層のエネルギー消費の増大を生むであろう。 それは、南北格差の増大、環境破壊の進行、南と未来からの資源の収奪、地球温暖化対策の遅れ を意味する。

今回の訪米では、州機関、電力会社、国立研究所、大学研究者、環境NGOとさまざまな人に 会ったが、電気事業の規制緩和に関連して地球温暖化への懸念に触れた人が皆無であったことに 大きな衝撃を受けた。これは、「持続可狽ネ社会」を政策の中心に据え、気候変動問題をその最 大のリスクとして捉えている北欧諸国とは対照的である。

欧州で生まれた「デモクラシー」や「リベラリズム」、「市民」という概念は、本来、政治的・ 社会的な概念であった。しかし、それらが米国にわたって「経済的自由」や「市場の平等性」、 「消費者」などの経済的な概念に矮小化されたことが指摘されている(注9)。その米国で、カ リフォルニア大学におけるアファーマティブアクションの廃止(注10)や、全米レベルでの環 境政策の後退のきざし(注11)に見られるように、「社会的公正」の概念も揺らぎつつあり、 結果の平等から機会の平等へと移行しつつあるように見える。麻薬さえ市場メカニズムと自己責 任に委ねようというフリードマンに代浮ウれるシカゴ学派に替わって、社会的費用を重視する制 度学派や環境経済学が台頭しつつあるアカデミズムとは逆に、皮肉にも米国社会でシカゴ学派の 主張が遅れて実現しつつあるように見える。

8.日本への示唆

さて、こうした米国における電気事業再編の波は、早晩日本へも波及するであろう。翻って日 本をみると、情報公開や市民参加など民主主義の土台すら助ェに形成されていない状況で、米国 の規制緩和の舞wだけを取入れようとするのは市民社会にとって極めて危険であるといえよう。 米国では、電気事業再編にあたってCPUCが助ェな情報公開を図りつつ公聴会を重ねて広範な社会 的合意を取り付けてきた。公聴会へは当事者である電気事業をはじめ、環境NGO、労働組合、 その他の関連のある団体の公式の参加が保証されている。また、規制当局には利益団体と非公式 な接触を禁じるなど規範的なルールも確立されている。そして、日本的常識から考えれば驚くべ きことであるが、電気事業の規制緩和自体がカリフォルニア環境保全法(CEQA)の対象となり、環 境影響評価書(EIR)の作成がCPUCによってすすめられているのである。日本でも、規制緩和を議論 する前提として、社会的に公正・公平な政策決定システムとルールを確立することが最優先課題 であろう。

9.未来の電気事業

最後に、サクラメント電力公社(SMUD)を紹介したい。SMUDは、7名の理事がいずれも公選された市民によって告ャされる文字どおりの「市民の市民による市民のための電力公社」である。カリフォルニア州の州都であるサクラメント市域をカバーする、需要家数50万弱、最大供給電力200万kWの小さな電力会社である。同社は「持続可狽ネエネルギー未来」を明確に目標にすえ、 1989年に住民投票によって91万kWのランチョセコ原子力発電所を閉鎖し、それに替えて再生可買Gネルギーを中心とする分散型電源、DSM、そして購入電力の3つを統合した戦略を穀zしている電力公社として世界的に注目を集めている。SMUDの戦略では、とりわけDSMと再生可買Gネルギーという環境に配慮したエネルギー面での対応が強調されるとともに、地域における雇用、地域における経済が重要視されている。電気事業の規制緩和後も、地域における配電は自然独占に近い形態で残ることになる。市民に開かれ、市民に支持されたSMUDのありかたは、地域における未来の電気事業のあるべき方向性を示唆しているといえよう。

注  

1. 10電力会社以外に、卸発電事業専門の日本原子力発電および電源開発、ならびに離島にお ける電力組合などの例
外はある。

2. 海外電力調査会「海外諸国の電気事業」(1993)pp40

3. 矢島正之「電力市場自由化」日本工業新聞社(1994)pp32

4. ルイス・J・パール「アメリカの電力産業の規制緩和」エネルギー経済、第21巻第4号 (1995.4)pp56

5. J.モース「電力の大変動-加州電気事業界のリストラクチャリング」海外電力調査会(1994)

6. California Public Utilities Commission 'Order Instituting Rulemaking And Order Instituting Investigation', I.94-04-32, (1994.4) 10. California Public Utilities Commission / Presentation Material (1996)

7. 武智久典[電気事業者のDSMプログラムをめぐる動向(米国)」海外電力1995 年11月号

8. J.モース「電力の大変動-加州電気事業界のリストラクチャリング」海外電力 調査会(1994)

9. 佐伯啓思「アメリカニズムの終焉」TBSブリタニカ(1993)

10. 日経新聞1995年7月22日

11. NRDC, Stealth Report
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ