Business & Economic Review 1999年08月号
【第三回日本総研創立30周年記念シンポジウム】
新世紀のリテール金融サービス戦略-顧客をめぐる競争を勝ち抜くためには
1999年07月25日 -
要約
1.シンポジウムの趣旨
(株)日本総合研究所は、創立30周年記念シンポジウムの第三回として、去る1999年4月20日(火)、ホテル・オークラにおいて「新世紀のリテール金融サービス戦略」をテーマとするシンポジウムを開催した。
本シンポジウムは、金融ビッグバンが推進され議論されるなかで、ビッグバンの先に焦点を当て、有望と目されるリテール金融サービス業がどのような変革を遂げるのか、顧客とどうかかわっていくのか、をテーマとした。
そこで、すでに変革の時代に突入したアメリカから、そして日本から、先進的なバンク、ノンバンクを率いる方々、4名をお招きした。
当日は、弊社小井戸社長の挨拶のあと、米国リテール金融の現状についてアナット・バード氏に基調講演して頂き、これを受けて、日本におけるリテール金融の将来像に関してパネル・ディスカッションを行った。
基調講演をお願いしたアナット・バード氏、パネリストのロジャー・サービソン氏、宮内義彦氏、久保田達夫氏、いずれも日米のリテール金融業界の先頭に立って活躍されており、当日も洞察に満ちた分析、実践に裏付けられた指摘等、熱気のこもった議論が展開された。会場を埋めた約800名の聴衆を最後まで惹きつけ、途中退場はほとんど見られなかった。
講演者・パネリストのプロフィールは次の通りである。なお紙面の都合上、シンポジウムの一部を割愛せざるを得なかった。
アナット・バード氏 (ウェルズ・ファーゴ銀行執行副社長)
ワートン・ビジネス・スクール(フィラデルフィア)で経営戦略を専攻。ルーズベルト・フィナンシャル・グループのCOO、金融コンサルタルティング会社CEO、ノーウエスト銀行戦略担当シニア・バイス・プレジデントを経て、98年現職。著作は5冊。
ロジャー・T・サービソン氏 (フィデリティ・インベストメンツ執行副社長)
69年ハーバード大MBA。フィデリティ入社後、直接販売戦略を打ち出し成功。リテール、ディスカウントブローカー、新業務開発等の部門を経て、95年現職。対日戦略責任者兼務。
宮内義彦氏 (オリックス株式会社取締役社長)
58年関西学院大卒、60年ワシントン大MBA。日綿実業を経て、64年オリエント・リース入社。80年社長就任。経済同友会副代表幹事、経団連常任理事、行革推進本部規制緩和委員長。
久保田達夫氏 (株式会社住友銀行常務取締役)
63年東大法学部卒、73年マサチューセッツ工科大MBA。三菱銀行、マッキンゼー勤務後、シティバンクの日本プライベートバンキング部門統括、プライベートバンキング本部企画部長を経て、98年現職。(99年6月専務取締役)
2.主催者挨拶
3.基調講演
「米国リテール金融サービス産業の現状と将来」
4.パネル・ディスカッション
「日本におけるリテール金融サービス産業の将来像を探る」