Business & Economic Review 2000年06月号
【PERSPECTIVES】
地方におけるベンチャー育成の課題
2000年05月25日 調査部 河村直樹
要約
バブル崩壊後の景気低迷が長引くなか、日本経済を活性化させる方策として、ベンチャー企業の育成が重要であるとの認識が定着してきている。こうしたもとで、政府によるベンチャー支援策が次々と打ち出される一方で、民間部門においてもベンチャー支援に乗り出す企業が増加しており、官民一体となった大支援ブームがわき起こっている。もっとも、ベンチャー企業に対する各種の支援がどの程度効果を上げたかについての実態把握は十分でないのが実情である。とりわけ、地方については、東京・大阪のような大都市に比べ、その実態の把握は遅れが目立っている。
そこで本稿では、いくつかのベンチャー企業調査を用いて創業実態の把握を試みるとともに、地方におけるベンチャー企業の現状とベンチャー企業育成の取り組み課題を提言することとしたい。