Sohatsu Eyes
eコミュニティ-電子自治体-
2003年02月12日
eコミュニティクラスターマネジャーの高村茂です。
eコミュニティ事業分野では、地域でのIT活用に焦点を当てて様々なプロジェクトの創出及び遂行支援を行っています。 その1つが「電子自治体化」の支援です。
ご承知の通り、電子自治体化の動きは、国のe-Japan戦略を実現 するために国から市町村へ期待されている内容が多くなっています。 しかしながら、住民の立場からすれば、現在の電子自治体化の方 向性が少しずれているようにも感じます。 現在の方向性とは、 (1) インフラの構築、(2) 手続きの電子化です。
例えば、話題になった住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を考えてみましょう。住基ネットのメリットとして、「全国のどこの自治体から でも住民票を取ることができます」と言われますが、他の自治体から 住民票を入手しなければならないことが頻繁に起きるのでしょうか?
例えば、何かの申請がオンラインでできるようになったとして、頻繁に行う手続きとしてどのようなものがあるのでしょうか? 住民が必要としているのは、お医者さんの情報であったり、お買い得 情報であったり、普段の生活に密着した情報です。 この視点を見落としますと、主役不在のシステムを構築することにな ってしまいます。
2003年度は、電子自治体の本格展開の年と言われますが、この点を今一度考えておくことが必要な気もします。
このような背景から、3/4に電子自治体シンポジウムを開催します。 当サイトにて詳細情報、お申し込みを受け付けております。皆様のご参加をお待ちしております。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。