Sohatsu Eyes
SCC(スマート・コミュニティ・コンソーシアム) 2003
2003年04月08日 石田直美
「人口減少」という言葉から何を連想するでしょうか?
少子高齢化、市場縮小、デフレ、経済停滞、労働力不足etc・・あまり前向きなイメージはないかもしれません。
人口の減少は、ごみ処理や上下水道等の環境インフラビジネスにどのような影響を与えるでしょうか。
人口が減ればごみも減ります。 さらに、リサイクル政策の成功により、人口減少のスピード以上にごみ量が減少しています。
PFIやアウトソーシングで順調に民間ビジネスが立ち上がっているごみ処理事業ですが、このままではごみ減少による収入減が大きなリスクになってしまいます。 人口が減れば水需要も減ります。 同時に進む都市部への人口集中により、使われない水道管等のネットワークインフラが増えてしまう可能性があります。
このままでは、水道事業はたくさんの不良資産を抱えてしまいます。 スマート・コミュニティ・コンソーシアム(通称SCC)は、これまで、環境インフラビジネスの分野で新しいビジネスモデルやノウハウを開拓し続けてきました。
今年度、新たに始まる「SCC2003」のテーマは、「人口減少時代の新しい環境インフラビジネスモデル」です。 ピンチをチャンスに変えるための新しいビジネスモデルを構築し、検証していきます。
例えば、ごみ処理分野では、公共産廃(下水汚泥等)や通常産廃を一廃処理に取り込むことや、英国PFIで行われている、リサイクルから焼却までの中間処理を全て行うビジネスモデルの適用を検討します。
水分野では、水道管を廃止、分散型の水供給システムを導入することを目指し、その仕組みや事業化を探ります。
SCCは、1997年に立ち上げた活動で、環境インフラ分野でのPFI、アウトソーシングを推進してきました。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。