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Sohatsu Eyes

中国最新環境事情

2003年05月13日 王 婷


世界の環境問題は、日本の約10倍の人口と26倍の国土を持ち、改革開放政策に転じて以来、高い経済成長を続ける中国を抜いては語れません。
様々な議論のなかには、経済の急速な発展に伴う環境破壊が全世界に大きな環境負荷を与えるに違いないという恐れを強調するものがあります。

一方で、中国は今後巨大な環境産業市場になるという見方もあります。中国では、暮らし向きが良くなるにしたがい国民、とりわけ都市住民の間で環境保護意識が高まり、政府も環境保護重視政策に本腰を入れるようになりました。

また、2008年にオリンピックが北京で開かれるということを背景に、環境保護に対する先端的な需要が出てきています。

このため、中国では環境産業が「旭日」産業と呼ばれるようになりました。その発展ぶりは破竹の勢いです。環境産業市場は今後10年から15年の間に毎年14%~15%のペースで成長すると予測されています。

これは先進国の2倍から3倍の伸び率です。今後、中国の環境産業市場はどの程度まで期待ができるのでしょうか。中国の新聞が伝える予測によると、環境保護関連設備の需要は、2010年までに約2兆円となります。

今後10年間に重点発展分野としての都市下水処理やごみ処理分野においては、施設建設だけの需要で3兆円から4兆円となり、運転管理の費用を含むと、下水処理とごみ処理だけで約10数兆円の市場になるという予測もあります。これほど大きな市場需要に対して、政府の投資は56%しか見込まれず、残りの44%は国内外の投資から賄うことが期待されています。

すでに、欧米や日本と同じように、民間資本を活用しようとする動きが盛んで、BOT方式で水処理施設やごみ処理施設の建設プロジェクトは100数件に上っています。

また、政府以外の投資は、かつては外国資本を求めていましたが、国内投資家によるプロジェクトが増えてきています。
これは、私営企業の増加が背景にあるとみられるからです。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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