Sohatsu Eyes
日本初のESP事業会社:イーキュービック株式会社の設立理念
2003年08月26日 岩崎 友彦
「日本総合研究所の主宰するESPコンソーシアム(2001~2002年度)活動を踏まえ、19社の事業会社、4社のベンチャーキャピタル、6名の個人の出資を得て、去る7月23日に日本初のESP(Energy Service Provider)事業会社であるイーキュービック株式会社を設立しました。今回は弊社の創業理念をお話しします。
皆様の企業では、既に様々なコスト削減への挑戦と、環境対策への取組みを、経営改善の視点から進められていると考えます。そして、コスト削減、環境対策、さらに経営マネジメントの3つが融合し、連動して効果を発揮する手法を日夜模索されているものと思います。
商品生産やサービスの提供においては、人材・資材・エネルギーの投入が必要です。このうち、人材・資材については、帳簿やサプライチェーン等の管理が適正に行われるようになりました。しかし、エネルギー、特に電気は、物体として「目に見えない」ため、管理し難いものであります。
照明や空調のスイッチをこまめに入り切りしても、どれほどの効果があるのか認知できないのです。結果的に管理不行き届きとなりエネルギーコストが固定費となっているのです。
現状、エネルギーは料金を支払えば、誰もが必要なときに好きなだけ使用できるため、果たしてその使い方が適切か否か、効率的か否か、あまり顧みられることがありませんでした。エネルギー消費には、各企業の事業活動に応じて異なる特性があります。
日々の事業活動のどの分野、どの場面で、どのような使われ方をしているのか、CO2の排出量の動向はどうか、どこで無駄使いをしているか、等を的確に把握できれば、エネルギーに限らず事業活動の無駄も見え、これまでに気付かなかった改善策も立てられるのです。
ここで重要なことは、無駄取り活動に際しては、決して経営幹部からの押付けのみではなく、現場従業員からの積極的な提案が沸き起こる仕組みを創ることです。
押付け管理が継続・拡大した試しはありません。設備更新に頼らず、現場従業員の運営改善を主体とする無駄取り活動では、現場との協働が不可欠であり、また、最良の改善策は、実は現場の中にあるのです。
イーキュービック株式会社では、目に見えないエネルギー消費を、個別設備・機器別の「発生時点情報」として「見える化」(エネルギー消費情報のPOS化)を図り、通常の経費管理と同様に、エネルギーを「経営マネジメントの対象」とします。
こうした、個別設備・機器の無駄取り(省エネルギー、CO2削減、省コスト)と現場オペレーションのクオリティアップ(意識改善)を通じ、「社会資本・資源の合理的利用の促進」と「エネルギー消費者意識の改革」という企業理念の達成に向けて日夜邁進する所存です。引き続き、皆様の厳しいご指導を宜しくお願い申し上げます。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。