コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

Sohatsu Eyes

創発ごころ/原動力

2003年09月09日 荒生元


「分散型電源」という言葉をご存知でしょうか。分散型電源とは、電力会社の「大規模集中型発電所」に対応する言葉で、電気を使用する場所の近くに設置する小型の発電機のことです。
石油を燃料とする「ディーゼルエンジン」や、都市ガスやLPGを燃料とする「ガスタービン」、画期的な技術として注目を集め、最近耳にすることの多い「燃料電池」などです。現状では大規模な工場や商業ビルでの利用が中心の分散型電源ですが、家庭への普及を目指した技術開発やソフト面の検討も進んでいます。

DESSコンソーシアム」は、まさにこの分散型電源、特に燃料電池の家庭への普及を目指したコンソーシアムです。各家庭に燃料電池を設置して、電気を利用する人が自ら発電を行う。電気の利用者が発電に当事者意識を持つことでエネルギー問題や環境問題の解決に貢献できるモデルだと自負しています。

私にとってDESSコンソーシアムは立上げ段階から手掛けたコンソーシアムです。企画を多くの企業にご紹介して参加を呼びかける際には厳しいご意見をたくさん頂きました。利用者のメリットをどう説明するか、燃料電池の技術的な課題は解決されるのか、コストの問題は、設置スペースは、などなど。

即答し難い質問や問題点が多く、戸惑うことも少なくありませんでした。しかし、一方でこのようなご指摘が新たな課題を浮き彫りにし、DESSコンソーシアムの活動を前進させる原動力となっているのも事実です。

もしもこの活動が、調査や研究の結果を単に情報として発信したり提言するだけの活動であれば、厳しい意見を頂くことも課題に正面から取り組むこともなく、DESSモデルは「自負」で終わってしまうことでしょう。DESSモデルを実現するために自らコンソーシアムを立上げ、その過程で厳しい指摘を頂き、課題に正面から取り組むことではじめて社会的な意味を成すのではないでしょうか。

それがまさにドゥタンクを標榜する創発戦略センターのインキュベーションです。

現在DESSコンソーシアムは約30社の企業にご参加頂いて活動しています。DESSモデルに対する自負と、一方で、厳しい意見を積極的に受入れる気持ちを大切にして活動していきたいと思います。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ