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Sohatsu Eyes

異文化に触れる重要さ

2003年12月09日 古澤靖久


自分は今、大変恵まれたポジションにいると感じている。というのは、広い意味で現在のPPP(Public Private Partnerships)に相通ずる民活インフラ事業の分野に1990年代始めから関わってきた。しかし、当時はその主戦場は海外であり、デベロッパー、投資銀行やアドバイザーといったプレーヤーも海外勢が中心であり、自身が非力なこともあり自分の活動は周辺分野でのものが中心であった。

今、曲がりなりにも我が国にPFIや長期責任委託(アウトソーシング)が進められつつあり、公共資産売却といった形態も含んだ民営化、公共セクターのリストラクチャリングが実行を模索されつつある。単なる論ではなく、実行段階を迎えており、その現場に微力ながら関わり、アイデアを提供し、実行を支援する機会を得ているのだ。

しかし、恐ろしいことである。このような恵まれた立場でありながらも、アドバイザー業務は実務の塊であり、ともすれば実務に埋没してしまう。実際の支援業務の現場は遠方が多く、出張に次ぐ出張となり、移動中にメモを書き、ラウンジやホットスポットのある喫茶店でメールをやりとりする始末だ。
また、多くの専門能力との協働が不可欠になる。弁護士、技術コンサルタント、公認会計士、税理士、商業コンサルタント、不動産鑑定士。煩瑣な業務の調整やスケジューリングもこなしていかなければならない。 日常に埋没しないために、自分の志を失わないための仕掛けが何より重要である。

このような仕掛けの一つとして重要なものは、「異質なものに接する」ことだと思う。特に海外に赴き、異文化に触れることで得られることが多い。異なる考え方やその背景にある社会システム、自然環境、文化環境に触れること、これらの営みが固定化した考えをリフレシュする。
創発戦略センターでは、この異文化に触れることが多いに奨励されており、自分も積極的に機会を活かしてきている。この懐の深さが、単なる実務家に陥らずに、PFI/PPPマーケットを創発していく源泉になっている。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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