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ICタグの可能性

2003年12月09日 辻 和伸


ICチップに記録された情報を電波で読み書きできるICタグ(RFIDタグ)が、注目されています。

ICタグはバーコードなどに比べ、莫大な情報を記録できること、読み取りだけでなく書き込みもできること、電波を使うことにより距離が離れていても、情報のやり取りができることから、商品等の物質・資源管理の世界を大きく変えることが可能です。

その応用は、流通や商品生産時の製造情報の管理だけでなく、個人認証等のセキュリティ分野や農産物の履歴の管理(トレーサビリティ)、交通、アミューズメント等幅広い分野での活用が検討されています。 例えば、現在六本木ヒルズでは、RFIDと携帯電話を活用した、ワイヤレス・タウン情報サービスの実験も行われています。

一方、創発戦略センターでは、物質が商品として流通された後の破棄時の物質の履歴管理へのICタグの活用に注目しています。
廃棄時は、生産・流通過程に比べ商品情報の管理が不十分です。そのため、廃棄・処分の過程での物質のトレイシングが困難であり、多くの不法投棄が発生する原因となってきました。また、ICタグにより各商品が単品毎また部品毎に適切に情報管理されるようになれば、これまで破棄されていたり、リサイクルであっても単に焼却されサーマルリサイクルとしてしか活用されていなかった商品や部品の品質活用が可能になり、リユースが大きく進むことを期待されます。

現在年明けを目標に立上げを行っているMATICS(Material Tracing IC System)コンソーシアムでは、このICタグを活用することにより、新しい廃棄管理のモデルを作り、廃棄に係るリスクの低減と、リユース・リサイクルの推進を通じた、新規ビジネスを開拓しようと取り組みを始めています。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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