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Sohatsu Eyes

産業ビジョン

2003年12月24日 金子 直哉


知的財産が競争力の源泉となる時代が始まりました。競争のルールが、「どこでも作れるものを、早く、安く作る競争」から、「他では作れないものを、いち早く生み出す競争」へとシフトしたためです。

このため、国全体を革新するという発想では、変化のスピードが遅すぎて、グローバルな競争についていけなくなりました。もっと、国から地域に重心を移していく必要があります。地域という小さな単位の中で、知的財産の創出・活用を促進していく。そして、これらの地域活力を総合し、日本全体の競争力を高めていく戦略が求められています。

こうした流れの中で、各地域が知的財産を核に活力を高めていくために、具体的に何が必要になるのでしょうか。まず、地域独自の知的財産を見つけ出す必要があります。その上で、企業と連携し、新たな製品や事業を生み出していけばいいのです。
しかし、この企業との連携が、簡単には実現できません。大きなリスクが存在するからです。企業にとって、大学や研究所と連携しても、本当に価値のある発明が見つかるかどうか分かりません。仮に見つかっても、製品や事業として実用化するために多大の投資が必要になります。
したがって、リクス分散の仕組みが必要になります。複数の企業、大学、研究所を結集し、製品開発や事業開発のリスクを分け合うという考え方です。

では、どうすればリスク分散の仕組みが生まれるのでしょうか。重要なポイントがあります。「新たな産業ビジョンを提示すること」、一つの製品、一つの事業ではなく、製品開発や事業開発を通じて実現していく新たな産業を提示することがポイントです。そうすれば、リスク分散のインセンティブが飛躍的に高まります。
独自の産業ビジョン、これが知的財産で地域を創発する鍵を握っています。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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