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Sohatsu Eyes

土壌汚染と向き合って

2004年02月10日 西村実


土壌汚染問題を扱っていると「どうしてこの土地から基準値を超える有害物質が検出されるのだろうか」というケースによく出くわします。

前の所有者に遡っても有害物質を使用した履歴はなく、そもそも事業内容が有害物質と無関係というものです。土地履歴などの資料等調査とヒアリングにより土壌汚染の可能性を評価するという手法がありますが、残念ながら役に立たない場合が多いということです。

詳細に調べると、造成時の盛土起源、地下水を経由した近隣からのもらい汚染あるいは自然起源といった原因が推定されることもあります。問題は原因がどうであれ、汚染が見つかると、対応策を巡って利害関係者間の調整に相当の時間とお金が費やされることです。

ほとんどは汚染土壌を全量掘削し、清浄土と入れ替えるという高価な措置を実施して売買が行われていますが、土壌汚染リスクに対しての過剰な対応といえる場合も少なくありません。法律では人の健康に影響のでないような適切な管理を求めているのであり、必ずしも浄化を求めているわけではありません。すなわち、土壌汚染に起因する正味のリスクを評価し、リスクに見合った適切な管理をした上で土地を有効活用することが重要なのです。アドバイザーとしてのもっとも重要な役割は、この部分のお手伝いだと考えています。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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