Sohatsu Eyes
DESSコンソーシアム2004始動
2004年04月13日 井上真壮
いよいよ新年度になりました。
昨年の6月に設立した新たな分散型エネルギーシステムを検討するDESS(Decentralized Energy System & Software)コンソーシアムも2年目に入りました。 DESSコンソーシアムでは、燃料電池の利用方法が一つの大きなテーマですが、昨年の一年間で燃料電池の技術開発状況は、かなり進展したという印象があります。財団法人新エネルギー財団(NEF)が実施している定置用燃料電池の実証研究の中間報告を見ても、発電効率が大きく向上しています。また、今年度中にはガス会社が燃料電池を商品化するという話もあり、いよいよ普及が目前となってきました。
一方で、マイクログリッドに代表される分散型エネルギーシステムの検討範囲も広がりつつあります。ネットワーク化により電気だけでなく熱の融通を行うシステム、地域という大きな単位でエネルギーを最適化するシステムなどの検討も始まりました。
DESSコンソーシアムでは、こうした状況を踏まえた上で、特に集合住宅等の1サイト内でのエネルギー融通システムの開発を目指しています。二酸化炭素の排出量が増え続ける中、民生家庭部門での有力な抑制対策になればと考えているからです。昨年度は、コンソーシアム参加企業33社とともに、システムのスペックの検討、これに伴う知財開発等を行ってきました。今年度は、同システムの実証実験を経て、いよいよ実用化・普及に向けてユーザーサイドへの働きかけを行っていく予定です。DESSコンソーシアムは、2年間の活動を一区切りと考えています。2年目となる今年度末にどのような成果が出るのか、ご期待ください。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。