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Business & Economic Review 2004年08月号

【REPORT】
成果主義人材マネジメントの完全手段としての裁量労働制

2004年07月25日 研究事業本部 林浩二


  1. 人事賃金制度が年功型から成果主義型へ移行するなかで、ホワイトカラーの労働時間管理の適正化を図る観点から裁量労働制への関心が高まっている。従来、裁量労働制は超過勤務手当対策としてのみ捉えられがちであったが、最近は成果主義人材マネジメントの手段として位置付け、戦略的に導入を進めるケースもみられる。

  2. 裁量労働制は、労働時間の長さから成果に応じた報酬への転換を可能にするものであり、本来、成果主義になじむ制度である。したがって、年功的な色彩の濃い人事賃金制度を維持したまま部分的に裁量労働制を導入しても、全体的な制度の整合性がとれなくなる。むしろ、自社の人事賃金制度を成果主義型に改めるなかで、その完成手段として裁量労働制を位置付けることが適当である。

  3. 裁量労働制導入のためには、a.人事制度の枠組み、b.賃金体系、c.人事評価の仕組みなどを整備する必要がある。裁量労働制適用者については、成果に応じてダイナミックな処遇を可能にすることが制度設計の基本方針となる。従来の超過勤務手当相当額の取り扱いについては、「時間ではなく成果に応じて配分し直す」という発想が基本となる。

  4. 成果主義と結果主義は同一ではない。目標管理を通じた「結果としての成果」を評価するだけでなく、仕事のプロセスも合わせて評価することが不可欠であることは言うまでもない。このことは裁量労働制適用者に限らず成果主義人材マネジメントにおける評価制度設計の基本である。
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