コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

Sohatsu Eyes

研究者の情報編集力

2004年05月25日 金子 直哉


企業の研究開発を取り巻く環境が一段と厳しさを増しています。現場でご活躍の多くの研究者が実感されていることと思います。 「開発リードタイム(製品開発にかけられる時間)」と「製品ライフサイクル(製品が陳腐化し、売れなくなるまでの時間)」が両方短縮する中で、グローバルな競争力を持つ製品開発が求められるようになったためです。こうした環境に負けず魅力的な製品を生み出していくには、何が重要になるのでしょうか。 研究者の「情報を編集する力」が鍵を握ります。“限られた時間”で“最高の成果”を上げる。そのために、2つの情報が必要になります。第1が「誰が研究成果を必要としているか」、第2が「どんな研究成果を求めているか」です。

ITの普及により、世界中の情報を素早く集めることが出来るようになりました。問題は、“誰”から“どんな”情報を集めるかです。 高度な知識を駆使する研究者の場合、普段は専門家同士のコミュニケーションを重視しがちです。しかし、魅力的な製品を生み出すためには、発想の転換が必要です。これまで気付かなかった新たなニーズ、グローバルな競争力を持つ製品の“素”となる智恵は、専門家以外の情報の中から見つかることが多いからです。 そのために、自らの研究成果を「分かりやすい情報」に換えて発信していく必要があります。

専門家以外にも理解できる「分かりやすい情報」を発信することが、「広範な分野の関心」を引き寄せることにつながるからです。こうして集ってくる情報の“質”が高まれば、製品開発に成功する確率も高まります。 「研究者がいかに情報を編集するか」、このことは個々の製品開発の成否に止まらず、日本全体の競争力を左右する大きな鍵であるように思われます。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ