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Sohatsu Eyes

事業者手法への考察

2004年11月09日 染宮 一政


創発戦略センター(CSE)ではこれまで3つのベンチャー企業をインキュベーション、立ち上げてきました。 私はその1つ、有害汚染物による環境汚染浄化を行う「アイエスブイ・ジャパン」という企業の業務支援をしています。そうした業務を通じて、あくまでも私見ですがCSEのインキュベーションにおけるポイントを次のように考えています。

CSEのインキュベーションは、コンソーシアムという手法を用いています。これは、事業開発に係わるリスクやコストを低減した上で、複数の異業種企業がさまざまな技術やリソースを持ち寄って、これまでにはなかった新規ビジネスの開発、事業化を行うための1つの手法です。また、CSEのインキュベーションの特徴は、シンクタンクであるがゆえに、可能な限り資本的・人的・経営的に中立的な会社として事業化をします。つまり、どこかの特定の企業グループの子会社、関連会社とはならないということです。 このようなベンチャーが、産業創造・活性化という意味でわが国のマクロ経済・産業の発展へ多少なりともプラス効果をもたらすことは想像に難くありません。では、出資をして事業参画する企業のメリットとは何でしょうか。出資企業は一般の事業会社が多いですので、通常はキャピタルゲインや配当が主たる目的とはなりえません。出資企業が自社のコアビジネスとの相乗効果が期待できるとき、より具体的には、自社単独ではできないその新規事業が、自社のバリューチェーンへ明確に組み込まれ、自社が提供する顧客付加価値の向上、差別化に繋がることではないでしょうか。 事業開発や事業化に必要なリソース(を保有した企業群)と、その事業に上記メリットを見出しうる企業の整合性を図る、マッチングを達成することが、コンソーシアムによるインキュベーションには必要であり、そして、それ自体がCSEの活動の要諦なのです。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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