IKUMA message
台風による豪雨で堤防が決壊し大きな被害を受けた兵庫県豊岡市に行ってきました。
2004年12月07日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2004/12/07)

穏やかに流れる円山川を見て、災害の話を知らなければ、つい先日豪雨で荒れ狂い堤防を決壊させたと思う人は稀でしょう。決壊した堤防は現在修復工事中ですが、川の曲がり具合を見ても何故その場所が決壊したのか分かりません。自然は我々の日常の想像力をはるかに超える力と意外性を持っています。
周囲には洪水の爪あとがいまだに色濃く残っています。大きな被害を受けた建物、曲がった電柱、いまだに一階の床を上げたままの家、などです。当地の方々にとって大水害は今日も現実のことなのです。
災害が起こった時、我々はテレビや新聞などの報道によって被災地の方々に対する想いを抱きます。しかし、今年のように水害の後に震災が来れば、人々の気持ちはそちらの方に向けられ、水害の被災地に気持ちを寄せる人の数はぐっと減ってしまいます。震災にしても時間が経てば気持ちを寄せる人の数は減っていくことでしょう。そして、災害はそうした我々の心の隙をつくように、またどこかで起こるのです。
災害に備えるには、災害が起った時の気持ちを日常的に10分の1でも持ち続けることができるといいのでしょう。今回も災害が起こると同時に多くのNPOの方々が活躍されましたが、仕事との両立を実現している方もいるはずです。政策だけに頼るのではなく、こうした姿勢を持つ人をいかに多くするかが、災害に強い社会を創るために大切なのだと思います。

5日は恒例の川口ハーフマラソンに出るはずでしたが、家を出発する時間まで季節外 れの暴風雨が止まず参加を断念しました。早速次の機会を探すこととします。
[写真左]
ナイキの「かたな」という名前のレース用シューズを買ったのですが・・・・
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。