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8月に行われたアテネオリンピックは日本にとって空前のメダルラッシュとなりました。
2004年09月14日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2004/09/14)

10年くらい前まで、こうした種目で日本が上位の成績を残すのは大変なことでした。正直いって勝負にならないような種目もありました。それが、ここに来て一気に世界のトップレベルと競うことができるようになった最大の理由はトレーニング理論の進歩だと思います。もちろん、技術でカバーできる面もありますが、相手も世界レベルですから体力の差を埋めることは容易ではありませんし、過度の技術指向は時として単なる精神論になってしまいます。トレーニングは競技で求められる体力を定義し、これが何によって構成されるかを考えることがスタートとなります。例えば、2000mのレースで勝つための持久力の要素は2000mを全力で走ることだけでは構成できません。距離、強度、繰り返し数などを掛け合わせたバラエティのある練習メニューを作ることで、求める力を身につけることができます。分析力と改善能力が勝つための不可欠の要素といえます。

[写真左] 徹底したトレーニング理論で世界選手権出場を果たした早稲田 大学理工学部エイト。1987年コペンハーゲンにおいて
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。