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今年は真夏日が40日連続する、という記録的な暑さでしたが、みなさんどのようにお過ごしでしたでしょうか。
2004年08月24日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2004/8/24)

夏休みは毎年、土日に1~3日の休みをつけて2回に分け、各々2,3泊の国内旅行をしています。今年は、福島の磐梯山周辺に行きました。祖先が福島出身ということもあるかもしれませんが、昨年、始めてこの地を訪れてすっかり魅了されてしまいました。磐梯山は、表に日本で三番目の大きさを誇る猪苗代湖、裏に桧原湖や五色沼、東側には吾妻連峰を擁し、360度美しい自然に恵まれています。また、西側にある会津若松まで足を伸ばせば、歴史のある街並みや工芸品などに出会うことができます。桧原湖や五色沼を始めとする多数の湖沼が点在する磐梯山の裏側は裏磐梯と呼ばれる景勝地です。多くの人を惹きつけている自然資源の多くは1888年の磐梯山の大噴火によってできました。この時の噴火で、小磐梯と言われる峰が深さ数百メートル、幅2キロにわたって吹き飛び、川を堰き止め、多くの湖沼を作り出したといいます。磐梯山の裏側からは巨大な爆発の跡を今でもはっきりと見ることができます。桧原湖の大きさや湖沼が点在する地域の広さを見ると自然の巨大な力に今更ながらに驚きます。これがわずか120年前にできたのです。人間が土木建築物で地上を制した気になっていても、それは大いなる自然の上に浮かぶ刹那的な自信に過ぎないのです。 自然のロマンと偉大さを改めて感じることのできた有意義な夏休みでした。

裏側から見た磐梯山です。右側にある土色の部分が1888年の大噴火で吹き飛んだ部分です。
[写真左]
磐梯山の表側から猪苗代湖を見下ろしたところです。雄大で神秘的な風景です。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。