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仕事で京都に行く機会があったので、時間を見つけて南禅寺に立ち寄りました。京都には素晴らしいところがたくさんありますが、南禅寺は最も好きな場所の一つです。

2004年07月27日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2004/7/27)
仕事で京都に行く機会があったので、時間を見つけて南禅寺に立ち寄りました。京都には素晴らしいところがたくさんありますが、南禅寺は最も好きな場所の一つです。壮大で繊細な建築美と緑が織り成す姿は、まさに自然と一体となった芸術です。数百年、千年の時を経た建築物が今もなお美しさを失わない一つの理由は、当時の方々がはるかに先を見て、建築物を作ったからでしょう。木を使う際には、木が大地に根を張っていた時の東西南北の向きを考え、百年後に最もしっかりと組み合うように作ったといいます。そして、歴史的建築物の多くは未来に向けた祈りを込めて建立されたものです。

こうした建築物だからこそ、周囲の自然と見事に一体化し、現代に至っても見る人の心を打つのでしょう。この素晴らしい資産を、これからも長く守っていかなくてはいけない、と思っている人は世界中にたくさんいます。

こう考えた時、我々の世代は後世に伝えることのできる資産をどれだけ作っているのでしょうか。林立するガラス張りの巨大なビルは時間が経てば確実に陳腐化します。近代技術を取り入れたといっても、これらのビルの余命は数百年前に建てられた古都の建築物より短いかもしれません。目的が違う、という意見があるかもしれません。だとしたら、どの資産が後世に伝えるべきものなのでしょう。時代の利便性が最優先され、後世に伝えるべきものが少ないのであれば、刹那的な経済活動の産物との謗りを免れません。

悠久の時の流れは日ごろ忘れがちな価値を教えてくれます。
[写真上]
緑に映える南禅寺。
[写真左]
門前にある植え込みが美しい。

 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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